日大が結成した第三者委員会が「あのタックルは怪我させないよにした優しいタックルだったのでは?」という長谷川豊氏ばりの発言が今も問題となっています。
http://tablo.jp/serialization/yoshida/news003434.html
この発言について、関西学院大学アメリカンフットボール鳥内監督は激怒したそうです。そもそも、現在も騒がれている、日大問題はここが発端です。
「タックルした事もない、タックルされた事もない」と、ある人がこの第三者委員会について批判。タックルの危険性についてもこちらで解説しています。
http://tablo.jp/case/news003295.html
未だにこういった「優しいタックル論」を言う事がいる人に驚きを隠せません。
タックルのやり方は色々ありますが、基本は
1・姿勢を低くして助走をつける
2・肩から相手の太腿、腰辺りに当たる
3・腕を相手の両腿か片腿に回し、手前に引く
4・引くと同時に足は前に進む
という一連の動作を一瞬でやる技術です。これを練習でなく実際に、生身の人間に対してやるのは「勇気」が必要で、これがもっとも大切です。
3と4の行為も重要で、これがないと、プロレスの「スピアー」という技になります。プロレスが怪我をさせないように上手く出来ている素晴らしいテクニックです。つまり、3、4で相手を怪我させる事が出来るということです。
では、今回の日大のように、もし、タックルの動作に入っていて、相手がボールを放してしまった場合。
1の段階ではタックルをやめて、ボールを追います。
2の段階では、肩から当たってはいますがそのまま力を抜いて、倒れるかそのまま、行き過ぎてボールを追います。
つまりあくまで、「ボールを奪う競技」というのが原点です。
今回は1の段階で関西学院大学のQBがボールを離した事を日大の選手は認識しています。なぜなら、その後10mに渡って助走をつけているからです。しかし、後ろからの無防備な状態で1から2に移りました。
「優しいタックル」はここまでの行為です。3、4に移行しなければ、怪我をさせる意図はなかったと言えます。
が、そこから3、4の段階に日大選手は移行します。相手の腿を引きながら、自分が前に出るという事は相手の受け身が取れない事を意味します。相手が頭から落ちる場合もあります。タックルされた選手は、とっさにアゴを引くしか受け身の取りようがなくなります。
「タックルするはずがない」と思っていた関学選手の後ろから3、4の行為に移ります。怪我をさせないような技、プロレスのスピアーの最も違う点です。
3、4の時点でアメフトやラグビー経験者は、誰もが「意図してやった、怪我をさせても構わない」と分かるのです。
日大の第三者委員会の呆れた質問に関学アメフト監督が怒る理由は、よく理解できます。
日大は期間限定で、次期アメフト部の監督を自薦他薦で応募しているようです。出来レースと言われていますが、僕も皮肉と嫌味を兼ねて応募してみようかなと、ふと思ったりしました。(文◎久田将義)
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