参院選挙制度改正法案が参院を通りましたね。合区をめぐって自民党内部が紛糾しました。といっても、よくわからない人がいるかもしれないので、ここは安保関連法制を「火事」に例えた安倍晋三首相の説明を真似して「入試」に例えてみます。はい、わかりにくいかもしれません。そもそも安倍首相の真似ですから(笑)。
参院自民党ミゾテ君は受験生です。「参院自民党」が姓で、「ミゾテ」が名前です。名前からわかる通り、名門の出身です。大変なお金持ちですから、ちょっとモテます。
そのミゾテ君は東京大学(定数是正)を目指し、有名予備校(最高裁)に通っていますが、前回の模擬試験では40点しか取れず(4.77倍)に不合格になりました。80点(2倍)が合格分岐点なので、予備校から「もっと頑張ってくれないと、来年の合格は難しい」と判断(違憲状態判決)されました。
そこで家庭教師の脇マサシ先生は、「合格点ぎりぎりでは不安だから、85点を目標(1.83倍)にしましょう」と学習計画を作ってくれました。これは大変素晴らしく、その通りにすると必ず点数がとれるというものだったのです。
ところが問題が発生。お金のあるミゾテ君には毎月ご飯を御馳走するGFが沢山います。脇先生の計画によれば、勉強する時間を確保するために、そのうち優先順位の低い順から22名を選び、それを半数(11合区案)にしなければならないのですが、美味しいものを食べられなくなるGFたちは激しく抵抗。とうとう脇先生はクビ(会派離脱)になってしまいました。
そんな空白の中でミゾテ君に近寄って来たのが、トラちゃんたち5人組(維新の党、生活の党、日本を元気にする会、次世代の党、新党改革)。もともと東大受験に関心がなく、早稲田(一院制)狙いのトラちゃんは、「オレたちと一緒に遊ぼうよ。目標点は45点(2.97倍)くらいでいいんじゃないの?」と言ってきました。
この時、ミゾテ君はリストラすべき4名のGF(そのうち1名が"浮気"したため欠員)からのクレーム対処に追われていましたが、トラちゃんは「オレたちと遊ばないと、公明マコト君や民主グンジ君と付き合うからねー」と言ってきました。マコト君とグンジ君は、目標を82点(1.97倍)にして、一緒に勉強しています。もともとマコト君はミゾテ君と大の仲良しでしたが、隙間を狙ってグンジ君が割り込んできました。ミゾテ君にすれば、ちょっくら目の上のたんこぶ的存在です。
結局ミゾテ君はトラちゃんと手を組み、目標値を45点にしました。ただしこれでは予備校の先生にしかられそうなので、「再来年に頑張りますから、許して下さい!」との「附則」も付けました。
さてミゾテ君を見限った脇先生ですが、今ではすっかり趣味の箱庭作りに没頭し、「ここに川を作って、道路を通して......」と楽しんでいるそうです。
※人間関係についてはあくまでフィクションです。
Written by 安積明子
Photo by Thomas Leuthard
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