何でもかんでも事象を、AKBに比較する時期があった。三年くらいまでだろうか。本稿は、それが目的ではなく蓮舫氏の代表挨拶でふと感じた事である。
9月15日、民進党の新代表に蓮舫氏が選出された。ちょうどライブでテレビを見ていたのだが、最初の一声あたりは「政治家のソレ」で、まあ、デフォルトというイメージだった。
が、その次に前原氏と玉木氏の両候補に呼びかける演説。「前原さんはまぶしかったです」というトーン。それから「前原氏が代表になった時、ずっと背中を見ていました」「輝いていました」(正確な文言ではないですが)というような内容のスピーチに既視感を持った。そして思い出した。ちょうどAKB48グループの総選挙で選ばれたメンバーたちが壇上に立ち、「○○先輩をずっと見ていました」「憧れの存在でした」というトーンなのだと。
さらに、蓮舫氏は「そして、玉木さん。......あの人は天才です。秀才です」と呼びかけるシーンで「ああ、これって高橋みなみの卒業の時のスピーチと重なる」と思った訳だ。高橋みなみの卒業ライブをご存じない方にご説明申し上げると、高橋みなみの卒業ライブでは最後に彼女が主要メンバー、一人ひとりに呼びかける場面がある。
例えば、総選挙一位で現在バラエティで活躍中の指原莉乃には「そして、指原......。サッシ―には言う事ないかなあ」と涙ぐみながら笑顔で語りかけるシーン。「そして、玉木さん」「そして指原」。
当然、これは偶然の一致だと思うし、蓮舫氏も意識をしていないと思うが、もしかしたら一回くらいはAKB総選挙をテレビ等で息子さんと視聴していて、無意識のうちにそういうトーンになったのかなと思ったほどだ。
政治と芸能界はかなり密着している。蓮舫氏も芸能界出身だし元芸能人の国会議員を挙げれば枚挙にいとまがない。かつて、キャスター田原総一朗氏が「高橋みなみを総理大臣に」というサービストークをしていたが、総理大臣は無理としても、前回の参院選で「政治はこれから勉強します」とのたまった芸能人やスポーツ選手が当選している昨今、高橋みなみがいつの日か立候補してもおかしくないだろう。
翻って、蓮舫氏のAKB的な「呼びかけスピーチ」で、彼女がやはり芸能界出身であるという事を再認識した。当たり前だが、芸能界出身の議員が悪いと言っているのではない。ただつい出てしまったかのような、蓮舫氏の高橋みなみ的スピーチは従来の政治家とは違うものであり、もしかしたら「たかみな的呼びかけスピーチ」も政治家の演説テクニックに取り入られるのかも知れないとふと感じた次第である。
Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース)
Photo by 一番じゃなきゃダメですか?
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