「なぜこのような事が起こったのか。徹底的に明らかにし、全容を解明してまいります。その上で二度とこうした事が起こらないように、組織を根本から立て直していく。その責任を必ず果たしていくことをまず冒頭、皆さまにお約束申し上げます」
安倍晋三総裁。まさに、冒頭、どのような言葉から入るのか、注目していましたが、やはり財務省改ざん問題から入らなければなりませんでした。
通常、自民党党大会は友党である公明党代表がスピーチをしその後、経団連会長のあいさつ。それから自民党総裁の順番で始まります。その両者とも途中で、財務省改ざん問題に触れざるを得ませんでした。むしろ触れない方が不自然ですから当然と言えば当然です。
その前に、平昌五輪、金メダリストのスケーター高木美帆選手がサプライズゲストで出演し、男くさい雰囲気の中、一服の清涼剤のように感じられました。これは容姿もそうですが、周囲の異様な雰囲気に「参ったなー」みたいな表情が素直に出ているところが余計に好感が持てた次第です。もっと言えば試合後なので疲れていたのではないでしょうか。
公益財団法人日本スケート連盟会長でもある橋本聖子議員が高木選手にインタビューをするのですが、「安倍総裁にも」とか「コーチを変えて費用年捻出に麻生大臣のお力を」(大意)といったワードを無理くり入れてくるのにも動じない高木選手に拍手を送りたいです。
よくありますよね。会社でも。接待や社内の飲み会で「女性が足りないから」というように女性社員が駆り出される感じ。その感じです。
自民党党大会のオープニングはAKB48のサプライズが発表されるような、映像が去年あたりから流れるのですが参考にしているのでしょうか。隣の関係者が「カッコ」いいな」とつぶやきます。
映像では「北朝鮮」が最初。次に「働き方改革」が流れますので、自民党の政策の優先順位がこの大会で分かるという意味では利便性が良い大会です。
気になるのが安倍総裁の滑舌が、さらに悪くなっているように思われました。ジェスチャーも去年に比べると大きくないように受け取られかねないです。今日から始まる予算委員会でこの問題の重圧は、はかり知れません。浮かない表情になるのもしょうがないでしょう。
佐川前国税庁長官の証人喚問も今週の予定です。そして、この「事件」は傷ましい死者まで出した、おぞましい政治案件である事を忘れてはなりません。
安倍総理と麻生大臣には「佐川佐川」と連呼するのではなく人一人の命の重さをかみしめて頂ければと思いながら、自民党党大会を後にしました。
(文・写真・久田将義)
【関連記事】
●財務省が書換えを自認か? 「森友問題」を朝日新聞の立証責任にすり替えるのは筋違い|プチ鹿島
●選挙特番で安倍首相をイラつかせたキャスターは誰!?|プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.74