18歳の高校生でも補導対象へ...JKビジネスは撲滅できるのか

2014年12月24日 JKビジネス 女子高生

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 警視庁が悪質化するJKビジネスの取り締まりを目的とし、18歳の高校生であっても補導対象にすることを明言した。これまでは補導の対象(いわゆる非行行為)とされるのは18歳未満と定められていたが、今後は警察が「非行だ」と判断すれば "18歳以上の高校生" であっても補導されることになる。

 まずは逮捕と補導の違いを解りやすく説明しよう。逮捕とは警察が容疑者の身柄を拘束するために行う。対して補導は、警察が「非行だ」と判断した少年に対し "然るべき処置" を取ること全般を指す。また非行は犯罪行為(刑法違反・条例違反など)に限定されないため、逮捕よりも対象範囲が広い点も大きな違いだと言える。

 さて、今回の警察の判断は色々と首を傾げたくなる部分が多い。JKビジネスが未成年者をアンダーグラウンドへ誘い込み、そこからの脱出を困難にさせる役割を担っているのは事実である。よって、それを厳しく規制・摘発することに依存はない。

・参考記事 【JKリフレ店「個室でプロレス技」で摘発、深刻化するロリコンビジネスの盲点】

http://tablo.jp/case/society/news001431.html

 しかし18歳未満という規定は児童福祉法や少年法といった様々な法との兼ね合いで導き出された線引きであり、これを崩すにはそれ相応の議論やシミュレートが必要となろう。だが今回の警察の発表からはそれが伺えず、「万策尽きたからより厳しくしてみる」 程度の思惑しか伝わってこないのだ。

 さらに、各地の条例には少年・未成年の定義があやふやな部分があり、そこにきて今回の警察の判断を加味すると、オトナであっても「何歳が何をやったらダメなのか?」が理解できなくなってしまう。目的は「青少年を被害から守ること」であろうが、その青少年にやって良いこと悪いことを正確に教えられるオトナが殆どいないという、悲劇的な状況に陥ることが安易に予測できる。

 また、現状でJKビジネスは風営法など主だった法律をギリギリのところでクリアしており、これが摘発を難しくさせている最大の要因と思われる。 何件かJKビジネス系の店が摘発された事例はあるにはあるが、殆どが労基法違反が関の山なのだ。 そんな時に 「18歳の高校生も補導します」 と宣言したところで、いったい何が改善できるというのだろう?

 非常に言葉は悪いが、今回の警察発表で何が変わるかと言ったら、補導件数を増やすことで "何か仕事をしている感" を醸し出す程度の効果しか見込めない。 そんな何の救いにも解決にもならないことの為に、ただでさえグチャグチャな法・条例をさらに混乱させて良いものだろうか? 本当に青少年を守りたいと考えるならば、手を入れるべき病巣・心臓部を正しく認識してナタを振るうべきであろう。

 JKビジネスに限らず、同類の業態やコミュニティには「そこにしか居場所がない」といった少年少女の貧困や孤独も背景にある。 当然もっと安直な「え~お金になるから~」といったパッパラパーな子供もいるだろう。そういった根本の部分をどうにかする動きがないのに、萎縮や混乱しか招かぬような安易な手法に逃げるとは、今回の発表は事実上警察によるギブアップ宣言にも等しいのではなかろうか?

 警察が満足に仕事をするには法のバックアップが必要で、その法を整えるには最前線の警察や専門家の意見が重要になる。 そうした連携がとれなさ過ぎているのがそもそもの問題点なのではないだろうか?

Written by 荒井禎雄

Photo by ame0399

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