もう本当に相撲協会のゴタゴタはどうでも良い、と思っていらっしゃる方が多いでしょう。
貴乃花親方とは? 白鵬とは? とか報道はもはやそちらの方に向かってしまっています。
相撲ファンの意見も二分しているようです。
1 白鵬は相撲をけん引してきた功労者
2 白鵬が現場にいたのに止めない悪者
からエスカレートして、「白鵬の相撲態度が悪い」。
さらに「モンゴル力士が悪い」。
ここにネトウヨみたいな人々が、ガソリンをかけているので余計辟易してしまう訳です。
この騒動の本質は、日馬富士の暴力事件な訳です。ですから暴力の本質と事件の真相について追及すべきなのです、とは本サイトで何度も言っている事です。
さて、ノイズと本サイトでは称している相撲リポーター、会友の方々がテレビに登場してきました。まあまあの出演費を稼いだことでしょう。
その中に池坊保子議長という人がいます。元衆議院議員です。僕などは「ああ、昔セミヌードになった人か」という印象でした。それが悪いと言っているのではありません。熟女の方はどんどんセミヌードになって頂きたいくらいです。
その池坊議長は理事解任、二段階降格という厳しい処置を貴乃花親方にくだしました。解任は相撲協会史上、初めてだそうです。
池坊議長は会見でその理由を、
「(貴乃花親方は)明らかに礼を逸した」
「八角親方に電話をかけないのは礼を欠いていた」
「この問題は終わりにしたい、膿を出し切りたい」
「相撲は礼に始り礼に終わる」
という主旨の発言をしました。で、これも何度も書いていますが、貴乃花親方からすれば、日馬富士が貴ノ岩に数十発張り手をくらわせたうえに、リモコンで頭をカチ割られた時点で、頭にキテいたのですから、こういう状態になるのは仕方ないとも言えます。そこに、白鵬がいて武器を日馬富士が取り出すまでぼんやり見ていたこと。ついでに、そこで止められるべきもう一人の人物。もっとも年長者であり、この会の影の主催者、石浦校長もいたのかという事で、愕然となった訳です。
そのあとの貴乃花親方の行為は喧嘩です。喧嘩相手に平和的な口をきいたり、電話でやり取りはあまりしないでしょう。組織に逆らっているのですから喧嘩です。
ついでに「礼に始まり」というのが相撲道なら、というよりその通りですが、白鵬の「一分間待った」は礼になっていないどころの話ではなく、前代未聞の出来事。「礼」について論じるのなら、電話に出ないとかどころかこちらの方が重要ですね。
つまり、今回は貴乃花に憎しの為、言いたい放題、池坊さんが言いまくったという事なのだと分かります。それに乗っかった相撲レポーター、会友の人々も同様です。池坊議長と五十歩百歩です。
本来、評議会とは、第三者が入っている事からも分かりますが、こういう争いごとには間に入って調停をするのも役割なはずです。が、池坊議長はテレビに出演した際、「暴行は確かに悪いが、貴乃花親方がすぐ相撲協会に報告していたらこういう事態にならなかった」という発言を何度かしています。貴乃花に全て原因がある、という主旨です。
これは第三者の言う事でしょうか。もう、もめ事の中に入ってしまいました。当事者なのです。この時点で評議会としての性能を失ってと言ってよいでしょう。
池坊議長はテレビ出演の際、感情的になっている様子が見受けられました。「調停役としてどうなのか」と思っていました。あまりにも、反貴乃花発言が強すぎたので、「TVタックル」でビートたけしさんにもたしなめられていました。
相撲協会側(八角親方など)と貴乃花親方が感情的なっているのですから、上に立つ評議会は冷静にならなければなりません。が、池坊議長も当事者になり、感情的になっているので、もう誰も俯瞰した見方は出来ていませんでした。
最も、ジャーナリスティックな発言をしていたのはカンニング竹山さんを含む、一部芸人さんたちでした、
池坊議長が会見の際、抑えていた感情を強引に変えたような笑顔で、「もう本当にこの問題は終わりにしたい。膿を出し切ってね」と言っていましたが、処分を見ると「膿」とは貴乃花親方という事になります。
この発言も感情的ですね。なぜ、このような物事を俯瞰して見られない人が評議会の議長になったのか不思議でなりません。これからは評議会の議員を決める時もさらに第三者が必要なのかも知れませんね。
海外ドラマで言えば、この結果はシーズン2終了という形になりました。日馬富士の罰金50万円も課せられましたし。
シーズン3はもう始まらなくて良いというのが、恐らく多くの相撲ファンの一致した考えでしょう。
それより、「暴力を受けて怪我をした」「これから白鵬らに対してどういう態度を取れば良いのか気になっている」「番付が下がる」という体力的にも精神的にも参っているであろう貴ノ岩が一番可哀そうなことを忘れてはなりません。日本人の判官びいきが良いように働いて、貴ノ岩復帰の折は大声援で迎えて欲しいものです。(文・久田将義)
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