仮想通貨がブームの裏には働いても報われない日本社会の現状

2018年03月11日 コインチェック 不況 仮想通貨 働き方改革 景気

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 最近、世間を騒がせている仮想通貨というやつ、簡単に言えばどうやらデジタル通貨の一種とのことと解釈しても良いでしょう。ということは、いつも使っているSuicaとかPASMOなどと似たようなものかと思ったら、株のように価格が変動するのだそうです。それなら、安い時に買って高くなってから売れば、その差額が利益になります。儲かるということですね。

 儲け話には、人は飛びつくものです。現在、仮想通貨の種類は600とも1000ともいわれていて、なかには1年で価値が20倍にもなったものもあるといいます。1万円分買って、1年後には20万円。夢みたいな話です。

 それは極端な例だが、実際にかなり儲けたケースもあるといいます。

 しかし、当然ですが、誰もが儲かっているわけではありません。少し前、ある仮想通貨が不正に出金されたために、凍結されてしまったという事件がありました。その仮想通貨にあるお笑い芸人さんが全財産をつぎ込んでいたため、貯金がゼロになる可能性があります。この事件では、他にも被害をこうむった芸能関係者もいるようです。

 が、そういう不正な事件などなくとも、価格が変動するものへの投資は、リスクが付きまとうもの。最近の週刊誌には、「仮想通貨で億という儲けが出たが、その後の暴落でゼロに」なんていう体験談を見かけます。FXが流行った時と同じです。これからしばらく「儲かった」「大損した」なんていう話題がメディアを賑わすでしょう

「儲かる」という話になると、リスクが見えなくなるのは人情かもしれません。それは、株でもギャンブルでも同じです。

 もしかしたら、現在の日本の、「必死に働いても豊かになれない」状況も関係しているのではないでしょうか。給料は上がらないのに、物価や社会保険料は上がる一方。いくら働いても、食っていくのがやっととなれば、何か「儲かる」ことをやるしかありません。

「仮想通貨なんかで儲けるより、コツコツ働くべき」というのは正論です。だが、今の日本では、必死に働いても報われない状況です。

「働いて稼ぐのが、いちばん割がいい」という世の中になれば、仮想通貨に興味を示す者など、ぐっと減ることでしょう。(文◎編集部)

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