「ゴールデン街で飲んでるんだ」
というとちょっと通っぽくないですか? ここ数年、外国人観光客が増加。ヤクザが数百人いると言われている歌舞伎町ですが、外国人たちはそんな事は知りません。歌舞伎町は東京オリンピックに向けて色々な意味で混沌としてきました。
歌舞伎町で飲むのなら、チェーン店も良いですが、この街ならではの飲み屋で飲んではどうでしょう。
新宿駅を背にして新宿区役所の右側に200軒以上の飲み屋が連なっている一角があります。そこがゴールデン街です。
戦前から戦後にかけて日本全国にあった非合法売春地帯、青線の名残りです。合法は赤線と呼ばれ歌舞伎町に近いところだと新宿二丁目がそうでした。
だからゴールデン街は雰囲気が独特です。足を踏み入れにくいというか。
しかし、外国人観光客の増加に伴い、若年層のお客さんも多くなってきました。店主自体も若い人が店をオープンさせたりと、入りやすくなっています。
ゴールデン街で飲んでるんだ、と言ってしまうにはこんな条件をクリアしてみてはいかかでしょう。
1、行きつけの店が五軒ある
以前、ゴールデン街を特集した記事でそんな事が書いてあったのを覚えています。確かに一軒だけだと、店がたまたま休みだった場合、寂しいですよね。あるいは店が満員の時も多々あります。大概の店は十人入れば満席だからです。もしも連れがいて「ゴールデン街に知っている店があるんだ」と勢いこんで行ったものの、そんな状態だったらテンションも下がってしまうかも知れません。僕の個人的意見ですが三軒知っていれば十分ではないでしょうか。五〜六軒知っていれば気持ちは楽です。
2、三人ぐらいで行く
前述したように十人は入れるか入れないかという店が多いので、二人もしくは三人で行くのが丁度良いです。もともと一人客が多いですし。時々五人くらいでゴールデン街を歩いいる人がいますが、ちょっと五人入るのは難しいです。
ただ、花園神社前の「BOND'S」という店やゴールデン街入り口の串揚げ屋なら入れるかも知れません。
3、もちろん一人でも構わない
一人客は圧倒的に多いのでそこは全く構わないです。ただゴールデン街自体が初めての人は、初見は入りにくいでしょう。最初は誰かに連れて行ってもらうのが無難です。そういう僕も初めてゴールデン街に入った時は、ぼったくられるんじゃないかとか心配でした。通常は五千円ぐらい持っていれば二、三杯は飲めるのではないでしょうか。僕はボトルを入れているのですが、その場合何杯飲んでも二千円のところが多いです。焼酎のボトルで六千円ぐらいでしょうか。
4、「会員制」と書いてある店は入らない
大体こういう店は外から見えないようになっています。要するに「一見お断り」という意味です。ただ決して誤解して頂きたくないのは、こういう店はマスコミ御用達だったりして店内では記者同士がオフレコ話をしている事が多々あります。そういう成り立ちですから、決して偉ぶっている訳ではないのです。そっと通り過ぎましょう。店に入りたいのなら、知り合いに連れてきてもらうか、その店の常連から紹介されたと言って入るのが無難です。
5、客引きの店には入らない
ぼったくり店は、ほぼ無くなったと思いますが、以前はありました。ビール一本で五千円とかのレベルですが。大体、そういう店は外で客引きをしているので分かりやすいです。が、近年は観光客の増加もあってほとんどないと思います。
以上、思いつくまま書いてみました。
では、どうしたら行きつけの店を増やせるのかを最後に。
一軒、店に入ったとします。ある程度、時間が経ってから(すぐ帰るのは失礼ですからね)「もう一軒行ってみたいので、どこかいい店知りませんか」と店主に尋ねてみましょう。多分、店主も行っている店を紹介してくれるはずです。
そうすると、紹介の紹介という形で行きつけの店が増えていきます。祭りの屋台をハシゴするような楽しい感覚でお酒が飲めると思います。
が、くれぐれも飲みすぎに注意してください。ゴールデン街は磁場というか独特の雰囲気があって、どうも酔うのが早い気がするのです。と感じるのは僕だけでしょうか。
飲み歩き・文◎久田将義
「本当はここは三光街なんだよ。ゴールデン街って右から数えて、道二本ぐらいの事なんだ」とうんちくを垂れてみるのもいいかも知れません。