「また富士そばに新メニューが出ている......」
看板を見て入らないといけないのか。そんなことを思いました。しかし、僕はさっき「天下一品」の「こってり」を食べたばかりです。
朝食を抜いたせいか、この日はめちゃ腹が減っていました。
「天下一品」は確かに美味い。しかしここで「天下一品」も当たり前だしなーと思いましたが、久しぶりに「アノ鶏ガラと野菜のこってりスープ」を味わいたくて食しました。満腹。
で、そのまま打合せに向かおう時に、「富士そば」がありました。ふと「富士そば」がイチオシしているであろう、ポスターが目に入りました。
「あさりそば」
僕が一番、気になるのが貝で取った出汁です。ラーメンもそうです。あさりとかしじみとか、弱った胃腸に最高ですしとにかく貝好きにはたまりません。入ってしまおう。
入りました。
「あさりそば」を発券機で購入後、トッピングメニューをふと見ると「ちくわ天」が。学生時代、「富士そば」ではいつも「ちくわ天そば」を頼んでいたものでした。「ちくわ天」も乗っけてもらいます。
「あさりそば」。まずスープの甘さが際立っています。「富士そば」ってこんなに甘かったっけ、と思いつつ麺を食します。多分あさりの出汁が出て甘くなっているのでしょうか。物足りない人は一味をパラりとかけても良いかもしれません。
腹一杯のはずなのに食べられます。蕎麦とスープがあっさり醤油味だからでしょう。午後三時ごろだと言うのに、客が入ってきます。さすが「富士そば」。かつ丼、カレーを頼むお客さんたち。女性のお客さんもいらっしゃいました。「富士そば」、メジャーになったなあ。そんな事を思いながら、ちくわ天に取りかかります。
ちくわ天は僕にとっては大学の味です。ちくわ単体はそんなに、美味いとは思わないのですが天ぷらにするだけでなぜ、こうも味が違ってくるのでしょう。ちくわが優しい味になります。
あさりを残らず食べつつ、スープを飲み干します。
「天下一品」の「こってり」を食べたのに、全部食べてしまいました。「富士そば」の新メニュー、恐るべし。
文◎久田将義