政財界の大物が通った「鰻家」で特上を食べてみました|ビバ★ヒルメシッ! 文◎久田将義

2018年01月26日 

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unagi01.jpg「鰻屋」外観


美味いものを食べると心が休まります。荒れた心が静まります。だから美味しいものを食べるのは心の健康に役立ちます。値段は関係ありません。

ホンダの創業者・本田宗一郎氏や元総理大臣や現職与党議員らが通う事で、一部で有名な「鰻家」。三回目くらいの訪店です。食べログを見るとマイナス意見として「焼き場が偉そう」「入りにくそう」とか店の人の態度を主にディスられています。

確かにこの店は予約して入った方が良いです。いきなり入ると待たされます。が、当然と言えば当然ですよね。予約を先にこなすのは、店側として。

店の人の態度がどうのというのも、どんな店であれ、僕にとってはあまり関係ありません。それは喧嘩腰で来られれば(そんな店は余りないと思いますが)別ですが、冷淡ぐらい別に良いでしょう。また、大体は客の方に問題があるのではと考えています。「こっちは客だ」という態度か、あるいは有名店だから気おされない為に客が気負ってしまっているケース。こんなところだと思っています。

僕が、この店に初めて入ったのは夕方ごろでした。予約をしていなかったので、待ちました。別にOKです。こちらが電話しなかったのですから。また焼き場の人はいちいち愛想を振るわなくても料理に専念してください、という事です。その代わりに女将さんが色々、話しかけてくれます。美味ければ、それで良いです。

二回目は予約して入ったので、すんなり料理が出てきました。また白焼や肝焼きはあらかじめ電話で注文しておかなければ宜しくないでしょう。

この間、あまりに腹が減ったので急に「鰻家」で鰻を食べたくてたまらず、店の扉を開けました。特上は時間がかかるとは言え、午後六時ころでしたから、まだ客はそんなにいないと踏んだからです。
因みに、松竹梅特というメニューがありますが、この店は値段は張りますが特上をお奨めします。全然違います。

さて、ふらりと入ってカウンターに座ります。その後、予約をいれていたであろうお客さんが、三組くらい入り、そちらの方から先にうな重や肝焼きなどが供されます。僕は当然だと思っているので焼き場の人の手並みを、「毎日毎日、何時間も同じ事やっていてすごいなあ」とかぼんやり考えながら眺めています。

お茶はもうぬるくなってきていましたから、20分くらいは待ったのでしょう。途中女将さんが「もう少しお待ちくださいね」とフォロー。僕は「いえいえ全然」と返答。

しばらくして、肝吸いとお新香が出てます。いよいよです。さっきから煙の香ばしい匂いで腹が減って、目が回りそうです。

特上のうな重が来ました。ふたを開けます。お重にはみ出した鰻の身。ゆっくりとその身に箸を入れます。身が厚く見るからにふっくらとしています。口に入れます。美味い。本当に美味い。ご飯をかっこみ、鰻を一口、また一口。ああ美味い。タレも甘さがそんなに強くなく僕好みの薄味です。

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肝吸いを飲んで口の中の味わいを変化させます。お新香の味付けも塩っ辛くなくちょうど良い塩梅です。鰻、お新香、肝吸いのトリオは最強です。山椒も別皿にありますが、僕はここの特上にはあまり要らないのではと思っています。

女将さんが常連さんらしき客に話しかけていますが、もしかしたら食べログでマイナス評価をつけている人はこういう点などが気になっていたのかも知れませんね。
というか、そんな事はどうでもいいです。ああ、美味い。心がほぐれていきます。美味いものを食べるとその時だけは、嫌な気持ちが薄れるものです。夢中で食べ終わりました。ふー。その間お茶を入れ替えてくれたので、一口二口飲み、一息。満足です。

お勘定は、一万円で三千円くらいのお釣りでしたから、頻繁に行けるものではありませんが、たまにはこういう店も良いのではないでしょうか。
因みに、二階もあり、そこには本田宗一郎氏のゆかりの「物」や某政治家の書が飾ってあります。ぶっちゃけ僕はその政治家は好きではありませんが、まあいちいちそんな事を気にしなくても良いでしょう。美味いものは美味い。それでいいではありませんか。


文◎久田将義

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