バンコクの"援交喫茶"は日本人駐在員らも仕事に使うほどの勝ち組|本誌記者潜入中『世界の怪しい酒場』第6回

2018年01月29日 

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01.JPG「テーメーカフェ」に集う娼婦のレベルは向上している


タイの首都バンコクで長年、歓楽街の取材を続けてきて実感するのは、中心部の援助交際喫茶店「テーメーカフェ」の盛況ぶりです。ナナプラザやパッポンに入居するゴーゴーバーの浮き沈みが激しい一方で、テーメーは底堅い人気があり、日々の客数は以前よりも増加しているもよう。バンコク風俗産業の勝ち組として君臨しています。

最近、テーメーに集まってくるフリー娼婦のレベルは明らかに向上しています。ゴーゴーやカラオケで働けなくなったババアや素行不良嬢、病気持ち嬢、"職業テーメー"になっているベテラン嬢らが依然としておりますが、「なんでここで売春してるの?」と聞きたくなるような素人っぽくてかわいいコも増えています。

私が声をかけた若いコは普段、キャンペーンガールとして活動しているそうで、実際に展示会で商品をアピールする写真も見せてもらいました。以降、彼女を店内で見かけたことはなく、あの時に連れ出しておけば良かったと悔やんだこともあります。後悔先に立たずですが、こうした出会いがテーメーの醍醐味でもあります。

昼間は真面目に仕事しているであろう、スーツをビシッと着込んだ日本人駐在員らも当たり前のように訪れます。知人のバンコク駐在員は「客先との会食で商談を始めても、2次会でカラオケやゴーゴーに移動すると、音楽がうるさくて話が中断してしまう」と指摘。「テーメーはその点、静かなので会話も弾む。お客さんの女の好みも分かって一石二鳥」とメリットを語ります。

実は警察がテーメーの運営を後押ししているため、よっぽどのことがない限り摘発はなく、店内でのトラブルが起こりにくいという安心感もあります。

お財布に優しい点も見逃せません。カラオケやゴーゴーと比べると、ドリンク料金が割安な上、ペイバー(連れ出し)代もかかりません。ショートの相場は2500バーツ(約8700円)前後ですが、大半の嬢は交渉すれば2000バーツまで下がります。


群馬に出稼ぎしていた元ゴーゴー嬢


ある夜、いつものように右手にビール、左手にポップコーンを持ち、店内を時計回りで巡回していると、見覚えのある嬢を発見。数年前までナナプラザの「レインボー4」に在籍していた元人気ゴーゴー嬢で、いわゆる"1軍"として活躍していたコです。少々老けましたが、間違いありません。先方も私に気づいて照れくさそうにしているので、話しかけてみました。

名前はナームケン(タイ語で氷の意味)。歳はもう30を超えていますが、その分、エロオーラが増しています。ゴーゴーを引退した後はバンコクのエロマッサージ店に勤めたり、群馬の連れ出しパブにも出稼ぎに行っていたのだとか。「群馬は田舎で、つまらなかった」そうで、楽しい思い出はほとんどないとのこと。

再会を祝して、自宅に連れ帰ることにしました。外に出てタクシーを探していると、「私、自分のクルマで来ているんだけど......」とナームケン。テーメー付近のビルの駐車場にホンダの小型車を停めていました。

ずいぶんと羽振りが良いので、彼女に運転してもらいながら、車内で詳しく事情聴取してみると、今は日本人のパパさんに月5万バーツで囲われていると白状しました。タイ大手民間銀行の大学新卒者の初任給が2万バーツ弱なので、彼女が受け取っているのはかなりの額と言えます。パパさんは日本で働き送金しているそうですが、それでも足りないので、テーメーでこっそりと小遣い稼ぎをしているというわけです。

パパさん、悪いことは言いません。タイ人娼婦を囲うのはもう止めましょう!


02.JPG

テーメーのポップコーンは20バーツ。映画館よりもうまい


取材・文◎新羽七助

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