「モーゼ」外観。東中野駅大江戸線乗り換え口からすぐ
スパゲティと言えば、ナポリタンぐらいしか知らなかった十代の僕にとって、食の革命が起きました。たらこスパゲティです。
wikiによるとたらこスパゲティは「壁の穴」という店が発祥らしいです。1970年代くらいのようです。それから数年。1980年代半ば。当時、僕は中高生。東中野にある明大中野中学・高校に通っていました。
東中野には結構美味い店がありました。今度、ゆっくり紹介しますがまず、パスタ専門店(最近はイタリアン食堂的メニュー多数)「モーゼ」です。20数年前、ラグビー部の連中と初めて食べた時の衝撃たるや。
美味いの一言。
これは今でも、この店以上のたらこスパゲティを食べた記憶がありません。高校の時は、「たらこに、スパゲティとか聞いた事ねえよ」とバカにしていた自分、いい意味で裏切られました。先輩方の時代から「モーゼ」は明大中野生御用達になっていたみたいです。
東中野「モーゼ」のたらこスパゲティ
まず麺にコシがあります。太いくらいです。もちもちしている食感です。
実は僕、パスタはカッペリーニ(いわゆる細麺)が好きで、特にトマトソースの冷たいパスタなどに併せると最高です。が、たらこスパゲティはこの麺でなければ、なのです。
タラコソースとパスタの混ざり具合が絶妙。トッピングは刻みノリと玉ねぎのスライス。で、レモンを絞って食す。完璧なコンビネーションです。
高校を卒業してからも何度か行ったのですが、「ウニのスパゲティ」「しめじのスパゲティ」「納豆のスパゲティ」などなど、たくさん誘惑されるメニューがありますが(皆さんは頼んでみてください)、僕はこの店では必ず「たらこスパゲティ」を頼みます。
お店の女性(多分初代の奥様?)に聞くと「たまにお客さんみたいな明中OBの方もきてくれるんですよ」との事。僕が最近行ったのは二年前くらい。メニューには「たらこ(明太子)」とありましたが、少し変えたのかな。
とは言え、木のボールに入って出てくる「たらこスパゲティ」は、ほぼ全くかわっていませんでした。
「壁の穴」も、もちろん食ましたし、美味しかったのですが、僕の中では和風パスタだったら「モーゼ」を推しておきます。
高校当時はカウンターに楽に座れましたが、恐らく情報誌などに載ったのでしょう。お昼の店内は満席な上、どんどんお客さんが入ってきます。
夜も営業しているのでパスタだけでなく、お酒とイタリアのおつまみでひと時を過ごすのも良いかも知れません。雰囲気的には、特に女性に人気がある店でしょう。
が、僕にとっては「モーゼ」は「たらこスパゲティ」ですね。
文◎久田将義
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