ここ3年で休刊した雑誌46誌を羅列 職を無くした編集者・ライターは今どうしているの?

2018年03月26日 ライター 休刊 春山有子 編集者 雑誌

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 本サイト副編集長の岡本タブー郎が編集長を務めた「BLACKザ・タブー」(ミリオン出版)が2015年7月に休刊し、もうすぐ3年が経とうとしています。
 もう何年もずっと飽きず死語レベルで使われている"出版不況"という言葉ですが、今年もすでにいくつかの雑誌が休刊しています。
 というわけで、「BLACKザ・タブー」休刊から現在まで、儚く消えてしまった主な雑誌を振り返ってみたいと思います。

2015年

「CHOKi CHOKi」(内外出版社)
創刊:2000年 休刊:7月号
カリスマ美容師ブームから生まれたメンズヘア&ファッション誌。「おしゃれキング」などの憧れ肩書きを生んだ。イケメン美容師・奈良裕也クンだか内田聡一郎クンだかの半裸ベッドイングラビアなど掲載していた。

「CUTiE」(宝島社)
創刊:1989年 休刊:9月号
原宿系ファッション誌のパイオニア。岡崎京子や安野モヨコが連載し、多くの有名読者モデルを輩出した。CUTiE読モになることはステイタスで、何度か登場した筆者の高校後輩はおしゃれ神として崇め奉られた。

「歴史読本」(KADOKAWA/中教出版)
創刊:1956年 休刊:秋号
史論や歴史解説などの歴史専門誌。休刊時、編集長が「ガンガン別冊とか出して、HPも充実させたいと思います。盛り上げていきますよ!」と熱いツイート。

「宝島」(宝島社)
創刊:1973年 休刊:10月号
サブカル誌のイメージが強いが、カルチャー誌やアダルト誌、ビジネス誌など約10年ごとにコンセプトを刷新していた。みうらじゅんや中森明夫、いとうせいこうなどを輩出(?)。

「en-taxi」(扶桑社)
創刊:2003年 休刊:11月発売号
ベストセラー「東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン〜」を連載していたサブカル風味文芸誌。

「SAKURA」(小学館)
創刊:2006年 休刊:11月28日発売号
アラサー、アラフォーの子持ち女性、特に専業主婦やパート主婦がターゲットのカジュアル系ファッション誌。真木蔵人の元妻・真木明子(現・HARUKO)らがモデルを務めた。

「ピチレモン」(学研プラス)
創刊:1986年 休刊:12月号
多くの"ピチモ"を生んだティーン誌。長澤まさみや宮崎あおいなどが登場、お宝雑誌として神保町古本屋では高値がつくことが多い。

2016年

「TVぴあ」(ウィルメディア)
創刊:1987年 休刊:1月27日発売号
番組表やタレントインタビューなどを掲載。最近では「テレビブロス」(東京ニュース通信社)が番組表掲載の終了を発表するなど、テレビ誌は淘汰の一途を辿りそう。

「週刊将棋」(マイナビ出版)
創刊:1984年 休刊:3月30日発売号
日本将棋連盟が発行する専門誌。休刊時、公式サイトで「メディアをとりまく環境の変化は著しく、週刊将棋はその役目を終えたと判断」と切ないコメント。

「WHAT's IN?」(エムオン・エンタテインメント)
創刊:1988年 休刊:4月号
Jポップのミリオンヒッターたちが特集された音楽誌。筆者はシャ乱QやL'Arc〜en〜Ciel目当てで90年代後半に愛読&スクラップしていた。

「Free&Easy」(イースト・コミュニケーションズ)
創刊:1998年 休刊:3月号
アイビーブームを盛り上げたメンズライフスタイル誌。2014年、安西水丸氏追悼企画で、あたかも赤瀬川原平氏や南伸坊氏が執筆したような記事を掲載、記事捏造が発覚した前代未聞の事件が有名。

「オリ★スタ」(オリコン)
創刊:1979年 休刊:4月4日号
アイドルやタレントが登場した音楽ランキング誌。かつて編集長を務めたオナニーマシーンのイノマー氏は、誌面で脱ぐなどし副編集長に降格。

「SEDA」(日之出出版)
創刊:1991年 休刊:7月号
ストリートカジュアル中心の青文字系ファッション誌。大塚愛や大原櫻子などモテ線女性歌手がお気に入りだったよう。

「Gainer」(光文社)
創刊:1990年 休刊:8月号
アラサー会社員向けメンズファッション誌。敦士がモデルとして登場していた。

「ROLa」(新潮社)
創刊:2013年 休刊:9月号
アラサー女性向けカルチャー誌。アプリ版への移行が伝えられたが現時点でアクセス不可。

「CD&DLでーた」(KADOKAWA)
創刊:1986年 休刊:9・10月号
Jポップを中心に幅広くアーティストを扱った音楽誌。現在、編集部はまるごとダンスシーンをフィーチャーしたウェブサイトに。

「スーパー写真塾」(コアマガジン)
創刊:1984年 休刊:10月号
カメコが捕らえたアイドル写真から始まった歴史深きエロ本。近年は普通のエロ本にシフトしていた。

「AneCan」(小学館)
創刊:2007年 休刊:12月号
全盛期「CanCam」がノリに乗った勢いで創刊。カバーガールは同誌を卒業した蛯原友里や押切もえ。当時のエビもえの勢いは本当にすごかった。

「文学」(岩波書店)
創刊:1933年4月 休刊:11・12月号
歴史80年以上の硬派な文芸誌。公式サイトで「突然の休刊のご報告を深くお詫び申し上げる」と謝罪。

「チャンプロード」(笠倉出版)
創刊:1987年 休刊:11月26日発売号
暴走族やその引退式、バイク改造などのスナップが中心の"ヤンキー"雑誌。何度かいくつかの自治体から有害指定図書に指定されたが、最後まで独自文化を貫いた。

2017年

「マガジンSPECIAL」(講談社)
創刊:1983年 休刊:1月20日発売号
「マガスペ」といえば当時の少年たちを総勃ちにさせた「あぶない! ルナ先生」。筆者も単行本を高値でヤクオフで落札、大人になってなお活用させていただいたものである。

「WOOFIN'」(シンコーミュージック)
創刊:1997年 休刊:2月号
B系ファッション誌の元祖。ヒップホップ情報も充実。

「KEJ」(コリアエンタテイメントジャーナル)
創刊:2004年 休刊:5月号
第一次韓流ブームに創刊し、韓国映画からドラマ、K-POPまで韓国シーン最新情報を紹介。

「ゲームラボ」(三才ブックス)
創刊:1985年 休刊:6月号
ゲームの改造テクニックや裏ワザなどを紹介し、根強いファンを獲得。

「ゴング格闘技」(イースト・プレス)
創刊:1968年 休刊:6月号
プロレスや格闘技専門誌。いくどか版元を変え休刊と復刊を繰り返した。

「うぶモード」(コアマガジン)
創刊:2005年 休刊:6月号
ロリ系投稿エロ本。最終号のキャッチは「◯校入学式直後に3P処女消失」で、このご時世にだいぶ攻めていた。

「日経コミュニケーション」(日経BP社)
創刊:1985年 休刊:7月号
通信・ネットワーク総合誌。

「Windows100%」(晋遊舎)
創刊:1998年 休刊:7月号
創刊当時のキャッチコピーは、「パソコンをもっとパーソナルにする遊べるCD-ROMマガジン」。2号目の特集は、「今年の年賀状はパソコンで!!」。付録にはアダルトゲームの体験版がついたことも。

「ドリフト天国DVD」(三栄書房)
創刊:1997年 休刊:8月16日発売号
ドリフト走行を好む読者のためのカー雑誌。

「シルフ」(KADOKAWA)
創刊:2006年 休刊:9月号
腐女子向け漫画誌。「うたの☆プリンスさまっ♪」「デュラララ!! Relay」などを連載。

「Street SUGAR」(マガジン・マガジン)
創刊:1997年 休刊:9月7日発売号
グラビアエロ本。最終号の付録DVDは「爆突き動画」とのこと。

「Bicycle Navi」(ボイス・パブリケーション)
創刊:2000年 休刊9月20日発売号
自転車生活をおしゃれに応援する自転車ライフスタイル誌。ウェブへの移行がコメントされたが、現時点でアクセス不可。

「OZmagazinePLUS」
創刊:2008年 休刊:11月号
アラサーOL向けライフスタイル誌。「ふつう」「ナチュラル」がコンセプト。

「ネットマネー」(日本工業新聞社)
創刊:2006年 休刊:11月号
日本初のネット専門マネー誌。デイトレーダーの存在をメジャーにした。

「ダンスファン」(白夜書房)
創刊:1985年 休刊:12月号
社交ダンス専門誌。ダンス関係者たちは一様に「あの老舗雑誌が!」と驚きを隠せなかった。

「SamuraiELO」(三栄書房)
創刊:2005年 休刊:12月号
堀北真希等女優や女性タレントを表紙に起用した、メンズファッション誌。一時期はモテ誌。誌面のいたるところに「モテ」が散見された。

「HR」(グラフィティ)
創刊:2010年 休刊:12月8日発売号
スナップ中心の高校生向け情報誌。デビュー前のきゃりーぱみゅぱみゅがたびたび登場。

「Zipper」(祥伝社)
創刊:1993年 休刊:12月22日号
原宿系ファッション誌。登場読者モデルはパチパチズと呼ばれ憧れの的に。木村綾子や清川あさみ、横山優貴、那須佳穂里、小林亜紀、マキロン、池田香織、池田泉など独自カリスマを多数生んだ。素人時代の秋元梢もたまにストスナに載っていたような。筆者は須山さちよちゃんとえみんこのファンであった。語りたい、誰かと。矢沢あいやジョージ朝倉、嶽本野ばらなどが連載。

2018年

「娘TYPE」(KADOKAWA)
創刊:2009年 休刊:1月号
美少女系漫画誌。「魔法戦記リリカルなのはForce」などを連載していた。

「BIGtomorrow」(青春出版社)
創刊:1980 休刊:1月号
奇抜な社長や自己啓発等を学ぶ男性向け情報誌。

「COMICペンギンセレブ」(富士美出版)
創刊:2006年 休刊:1月号
老舗エロ漫画誌「ペンギンクラブ」の姉妹誌。巨乳系多数。

「Golfコミック」(秋田書店)
創刊:1984年 休刊:2月号
創刊以来、表紙はちばてつやが担当。ゴルフ漫画縛りで大健闘。

「スーパーパチスロ777」(竹書房)
創刊:1992年 休刊:2月号
人気パチンコライターやバラエティに飛んだ漫画を掲載した、パチロス漫画誌。

「おひさま」(小学館)
創刊:1994年 休刊:2・3月号
児童向け読み切り短編絵本雑誌。大島弓子などが連載していた。

「Top Yell」(竹書房)
創刊:2011年 休刊:3月号
AKB48全盛期に創刊し、ライブレポートに力を入れた雑誌。知り合いのアイドルライターが嘆いていたので知る。

「まんがタイムジャンボ」(芳文社)
創刊:1995年 休刊:4月号
萌え系四コマ漫画誌。とにかく派生誌が多く素人には難しいが、現時点で「まんがタイムグループ」存続は11誌、これまでの休廃刊は10誌あるよう。


 これでもほんの一部です。日々、膨大な数の雑誌が、消えている現状です......が。粘り強さを見せる雑誌もあるのです。

 2017年4月号で休刊した"プロ野球界のMyojo"こと「プロ野球ai」は、版元を日刊スポーツ出版社からミライカナイに変え今年4月号で復刊。
 90以上の歴史に幕を閉じたことで話題となった「小学二年生」(小学館)は、「小学8年生」として現在までに6号を刊行。
 2017年12月2日号の最終号キャッチが「残心」で涙を誘った、「剣道日本」(スキージヤーナル社)は、同社の事業停止、破産申立を経てベースボールマガジン社へ編集部員ごと移動し、「剣道JAPAN」として復活。粘りを見せています。
 キャバ嬢のバイブルこと「小悪魔ageha」は休刊と復刊を繰り返すたびに版元を変え、近年ではライセンス問題でごたごたしたものの、無事トランスメディアから再復刊しました。

 また、休刊のお知らせとともによくあるのが、「ウェブへ移行します」という告知ですが、可動することなくフェードアウトする媒体もある中で、完全移行しているものも多くあります。
「卓球レポート(現、卓レポ.com)」、「ケイコとマナブ」「ELLE girl」「Ranzuki」「KERA」「赤すぐ(現、ゼクシィBaby)」などなど。
 さらに「クーリエ・ジャポン」や「新ハイキング」などは会員制に移行し、愛読者を安心させています。

 筆者も、「BLACKザ・タブー」をはじめたびたび休刊に立ち会ってきました。寂しさと、収入源が減るという現実的な打撃もありつつも、これまでなんとかなっているのは、ウェブへと上手くシフトしているメディアが多数あるからです。本サイトもそのひとつですね。
 職にあぶれて悲惨な目に遭っている編集者もいるのかもしれませんが、この界隈、仕事を選ばなければなんとなくたくさんあるし、なんとかなるなる。......と、年収の3分の1依存していた雑誌の休刊が囁かれ、ついに1文字1円仕事に手を染め始めた筆者は思うのでありました(キツイ)。(文◎春山有子)

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