ホストがらみの自殺がひと月に8件も? 「帝王」を亡くした新宿でいま何が起きているのか

2018年11月07日 ホスト 女性 歌舞伎町 飛び降り自殺

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 10月2日、新宿歌舞伎町で通行人の男性を巻き込んだ若い女性の飛び降り自殺があったことは、すでに本サイトでも報じた通り。原因は、ホストが絡んだ金銭トラブルとされ、なんともやりきれない話なのだが、11月6日の東京スポーツが報じたところによれば、この10月中だけで歌舞伎町ではホスト絡みで自殺を図ったケースが男女あわせて8人もいたという。その中には、未遂で済んだ人もいれば亡くなった人もいるということだ。


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 同紙の取材では事情通の言葉として、「水商売が不景気になっている上に、閑散期が重なったのも原因でしょう」と自殺未遂多発の一因をそう述べている。確かに、一部の水商売を除けば全国的に不景気であることに違いはないが、それでもいくら歌舞伎町とは言えひと月で8件も自殺未遂が起きるというのは尋常ではない。やはり根本的には、歌舞伎町のホストクラブがさまざまな意味で、飽和状態になっていることが大きな理由に思える。

 現在、歌舞伎町には200軒を超えるホストクラブが存在すると言われているが、その数を証明するように、ランドマークであるゴジラヘッドを越えて職安通り方面に向かうに連れて、ド派手なホストクラブの看板広告が多くなってくる。住所としては歌舞伎町2丁目と呼ばれるあたりがホストクラブの聖地になり、10月2日の巻き込み自殺もこの地で起きた。

 かつてバブル全盛の頃は、高級クラブのホステスが煌びやかに行きかっていた道は、(ホストが始まる前の)深夜と(終わったあとの)お昼前後、ホストとその客たちで溢れかえる。このように一見、変わらぬ隆盛を誇っているようにも思えるが、過剰な店舗数とホストの数は確実に業界を圧迫し、事実上、限られた客の奪い合いとなっているのが実情だ。
 しかも、多くのホストクラブが永久指名制度(客は一度、指名したホストが飛びでもしない限り、指名を変えることはできない)をとっているなかで、人気ホストに客が集中するのもまた自明の理なのだ。

 いまの歌舞伎町では、黙っていても客がつく一部の有能なホストは別として、ほとんどのホストが指名を得るために血道をあげている。ただ同然の「初回料金」をこれまた多くのホストクラブが行っているのも、限られた客をなんとか引き付けようという"努力"に他ならない。

 そんな状況のなかで得た客である。それこそ、珠玉の如く大切にすればいいとは思うのだが、切羽詰まったホストほど、少ない客に依存し、吸い上げるように金を奪うことに熱心になってしまう。できるホストはここらあたりの塩梅が上手なのだが、そんな悪循環が業界をさらに窮地に追い込んでいるのだ。

 つまり、多くのホストが客を「育てる」余裕もなく、本来、細客として広く薄く回していくような女の子まで、太客以上に吸い上げていく......このような無理が自殺未遂騒動の一因になっている、と筆者は考える。
 先日、先駆者である愛田武氏が儚くなった。いまこそホストクラブは、氏が実践したよう、女性第一の初心に立ち返るべきではないだろうか。(取材・文◎鈴木光司)

あわせて読む:ごく普通の主婦がなぜハマる 歌舞伎町ホストクラブの魔力とは

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