――"ハロプロらしさ"―― 『ラストアイドル』つんく♂参戦について、ハロヲタの主観的な意見

2018年02月14日 

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lastidol.jpg今後、ラストアイドルはどうなってゆくのだろうか(テレビ朝日公式サイトより)


近頃のアイドル業界における大きなトピックといえば、やはりテレビ朝日系『ラストアイドル』となるでしょう。秋元康がプロデュースするアイドルグループ「ラストアイドル」のメンバーの座をかけたオーディション番組ですが、2017年12月でファーストシーズンが終了。今年に入ってからは、番組内で誕生した5つのユニットが有名プロデューサーと組み、セカンドシングルの表題曲をかけて総当たり戦を繰り広げています。

そして、多くのアイドルファンをざわつかせたのが、つんく♂の参戦。ハロー!プロジェクトのプロデューサーとして、モーニング娘。やBerryz工房、℃-ute、アンジュルムなどを生み出してきたつんく♂が、秋元康の番組に飛び込んで、まさかバトル方式の楽曲プロデュースに参加するとは......。

そこで今回は、モーニング娘。結成時から現在に至るまで、20年以上にわたりハロプロを愛している筆者が、『ラストアイドル』におけるつんく♂について、ハロヲタとして率直に綴っていきたいと思います。『ラストアイドル』だって1人の審査員の独断でジャッジするのだから、このような主観的な意見を発表しても許されるはず......だと信じています。


今回つんく♂がプロデュースするのは「Love Cocchi」という5人組で、『青春シンフォニー』という楽曲を提供しました。時にネガティブになりつつも、夢を抱いて努力をしている女の子の気持ちをリアルに描いた爽やかな1曲。鞘師里保の卒業シングルに収録されたモーニング娘。'15『ENDLESS SKY』や℃-uteのラストシングル収録曲『To Tomorrow』のように、新たな道へ歩み出そうとしている女の子の期待や不安を歌った曲といえるでしょう。

振り付けは数々のハロプロ楽曲を手がけてきた木下菜津子先生。つんく♂とのタッグということで、やはりハロプロ的要素も多く、落ちサビ後にフリーで踊るあたりなんかは、「これぞハロプロ!」という感じです。

Love Cocchiにとっての初戦となったのは1月28日放送回。秋元康プロデュースの「シュークリームロケッツ」と対戦し、審査員の日笠麗奈の判定で勝利。ほかの審査員も全員がLove Cocchiを勝者に選んでいました。たしかに、つんく♂の爽やかな楽曲を素直に歌い踊る姿はとてもかわいらしく、アイドルらしい清純さもあったと思います。しかし、ハロヲタ的には正直物足りないものでした。楽曲と振り付けのハロプロ色が強かったがゆえ、もっと"ハロプロっぽいパフォーマンス"を求めてしまったのです。

Love Cocchi は、つんく♂の歌い方を踏襲するようなあの独特な「ハロプロ歌唱」ではないし、"ハロプロ感"のある個性的なメンバーというわけでもない。しかも「裸足で歌う」というギミックは、愚直なパフォーマンスが持ち味のハロプロとはちょっと違ったアプローチであり、どうしても違和感を覚えてしまう。そういった部分のアンバランスさが気になり、「完成度が低い」と感じてしまいました。

2月11日放送回では織田哲郎プロデュースの「Good Tears」と戦ったLove Cocchiですが、審査員・竹中夏海の判定で負けてしまいます。そのほかの3人の審査員はLove Cocchiの勝利とジャッジしており、ネットなどでもLove Cocchiのほうが良かったという声もありましたが、個人的には第2戦のLove Cocchiもやはり微妙でした。

第2戦を前にLove Cocchiは、「春高バレーのベスト8に出場できる学校の選手がしているような髪型」という指示のもと、髪の毛を切りイメージチェンジします。その独特な指示はまさにつんく♂らしいものであり、髪を切ったLove Cocchiのメンバーたちもまた、"加入直後のモーニング娘。の新メンバー"といった感じで、ハロプロ感が強い印象となっていました。つまり、ルックスはハロプロに近づいたわけですが、パフォーマンスもハロプロっぽくなったかというと、決してそうではなかった。外側のハロプロ感が増したがために、むしろ歌の面でハロプロ感が薄いことが逆に浮き彫りになり、前回よりも違和感が増したように見えたのです。

これはおそらくハロプロという存在の特殊性を表しているのだと思います。現在のハロプロでは、ハロプロ研修生としてある程度の修行を積んでからデビューすることが多くなっています。研修生時代に、ハロプロの歌い方や踊り方、考え方、しきたりなどをしっかり身につけてから世に出てくるので、デビュー直後であっても"ハロプロの作品"としての完成度が高い。それがアイドルとして優れているかどうかはまた別の問題ですが、ハロプロには"ハロプロらしさ"という価値観があるのです。

現状のLove Cocchiは、ハロプロに向かうわけでもなく、独自の要素も出すことができない、とても難しい状態だと思います。だからこそ、今後Love Cocchiがハロプロ感を強めていくのか、それともハロプロらしさではないLove Cocchiらしさを身につけていくのか、つんく♂のプロデュースの行く末が気になるわけです。

個人的には、今後つんく♂には、ハロプロという存在を完全に忘れ去ったうえでLove Cocchiをプロデュースしてほしいなあと期待しています。そもそも『ラストアイドル』への参加は、つんく♂がハロプロの総合プロデューサーの座から退いたがゆえに実現したことであろうし、それならば完全に好き勝手やってみても面白いのではないかと思うのです。もしそれでもなお、つんく♂が作り出すものがハロプロ感に溢れていれば、つんく♂とハロプロとの強い絆を感じられて、ハロヲタとしても涙が出てくる......ってなもんです。

とにかく、今後Love Cocchiがどう変わっていくのか、ハロヲタとして、そしてつんく♂ファンとして、しっかり見届けていきたいと思います。


文◎大塚ナギサ

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