39位にランクインしたチャープラン(22)はBNK48のキャプテン(タイフェスティバル2018にて)
BNK48の「AKB48 53rdシングル世界選抜総選挙」での大躍進は、タイの多くのファンにとっても予想を上回る結果でした。
キャプテンのチャープラン(22)が26,202票を獲得し、堂々の39位でネクストガールズにランクイン。『会いたかった』『大声ダイヤモンド』『初日』センターのミュージック(17)も20.106票で72位。アップカミングガールズに決定しました。
チャープランは難関の国立マヒドン大学で化学を英語で学び日本語もできる超才女。BNK48の活動で多忙な中、大学にもしっかり通い、日々の筋力トレーニングもこなすストイックさとリーダーシップで、タイ人にとってまさに理想の女性像であることから男女問わず1期生メンバー26人中でダントツ人気を誇っています。
日本人に人気があるミュージック(17)も72位にランクイン(タイフェスティバル2018にて)
ミュージックはオーディション時に披露したピカチュウの声真似やデビューイベントでの挨拶でマイクにおでこをぶつけたハプニングがウケて当初から2番人気でした。チャープランとともに人気コスプレイヤーだった経歴の持ち主という側面も。またルックスが一番アイドルらしいことから日本人ファンが多いことでも知られています。
当初から100位以内にランクインするならこの2人だと目されていました。というのは、ファン層が厚い上に資金力のあるファンが付いているからです。ショッピングセンターの屋外大型ビジョンに200万円近く費やして誕生日を祝う広告を出したり、オークションでサイン入り生写真を155万円で落札したりと、投入資金が他のメンバーのファンと段違いなのです。
しかし順風満帆だったかというとそうでもありません。今回の世界選抜総選挙に、あろうことか当のタイ側運営(BNK48 OFFICE)が当初乗り気ではない態度を示し、投票券付きCD『Teacher Teacher』の正規輸入販売を行わなかったのです。時期的にはちょうどBNK48劇場がオープンして併設のショップで販売可能になったにもかかわらずに、です。
CDを輸入販売しても手間の割に利益は微々たる上、総選挙の結果、BNK48の人気メンバーがランクインしてしまうと稼ぎ頭が一時期日本に行って不在となるのを嫌がったのかもしれません。
混乱に混乱を重ねたタイ運営側
タイ側運営はCD正規販売実施の有無に最後まで言及しなかったため、ファンの投票行動の出足が遅れたことは否めません。結局チャープランがライブ配信の中で運営による販売はないと発言したため、ようやく軸足が定まった感じでした。
立候補した各メンバーのファン・グループは、投票したいファンからCD購入資金の寄付を募集開始。多額の寄付をした人にはグループ特製グッズをプレゼントするなどして、最終的にタイ側運営のサポートなしに、チャープランのファン・グループは21,126票分、ミュージックのファン・グループは18,502票分もの資金を集めることに成功しました。
その資金で日本在住タイ人ファンが日本でCDを購入して投票を行ったのです。SNSにはCDが詰まった段ボール箱が山積みされた部屋で開封作業をするファンらの写真が連日流れていました。
終盤になってタイ側運営も世界選抜総選挙をプッシュする方針に舵を切ったようです。公式ツイッターのタイトルに「#世界選抜総選挙」を加える変貌ぶりを見せたのは、6月には2~3日の握手会以外大きなイベントが皆無なため、つなぎの話題として利用しようという意図が見え隠れしています。
また3rdシングル『初日』MV不評の反面、レーシングチームA.P. HONDAの応援ソングとして出された『RIVER』のMVが大好評だったことから急遽『RIVER』をタイトル曲にしたフルアルバムをリリースする方針に転換した件と同様、ファンの声に押されてやむを得ず動いたという面もあったに違いありません。
右からジェニス、伊豆田莉奈、チャープラン(前)、ミュージック(後ろ)、パン、モバイル。どうぞBNK48をご贔屓に!(タイフェスティバル2018にて)
対照的だったのは日本側でのBNK48立候補メンバーに対する扱いの良さです。開票イベント前に行われたAKB48グループコンサートのアンコールで、国内外グループから選抜された16人によるこの日限定のユニット「WRD48(WORLD48)」にBNK48からジェニス(17)、ミュージックが選ばれ、さらになんとチャープランがセンターに抜擢されたのです。
松井珠理奈、宮脇咲良、荻野由佳、岡田奈々、横山由依、小栗有以といったそうそうたるメンバーを従えて『恋するフォーチュンクッキー』を熱唱するチャープランの姿を目にして、選挙結果以上にタイ人としての自尊心をくすぐられ涙したタイ人ファンは多かったようです。
すでにタイでは伊豆田莉奈は母親的存在
今回、ファンもメンバーも残念だったことは、BNK48にとって大先輩でありお母さん的存在で絶大な信頼を得ている伊豆田莉奈がランクインを果たせなかったこと。
チャープランは「莉奈さんがBNK48に移籍してきてくれたお陰で今日の私達があり、このコンサートにも出演できました」と感謝の言葉をステージ上で述べています。
また開票イベント後、ミュージックも「BNK48のダンスと歌の成長は莉奈さんのお陰でもあって、莉奈さんの自己犠牲と強さはメンバーが尊敬する第1位です」と、チームBⅢキャプテンで総選挙不参加のパン(17)も「タイに来て私達の面倒を見てくれた莉奈さん本当にありがとうございます」とインスタグラムに投稿しています。
伊豆田自身が最近「不安な気持ちもありますが」とことあるごとに口にしていることとあわせると、何かがあるのではと勘繰りたくなるメンバーらの言動です。
実は4月に伊豆田を誹謗中傷するものだと誤解されたとあるSNS投稿がファンらからバッシングを受けた出来事があったのですが、これだけメンバーから全幅の信頼を集めている伊豆田を万が一にもタイ側運営が冷遇するようなことがあった場合、あの大バッシングの矛先が自分達に向かうことは覚悟しておいた方が良いでしょう。
WRD48と2人の予想を超える上位ランクインを目の当たりにしたタイ国内のファンらは、AKB48の54thシングルにおけるチャープランとミュージックのさらなる活躍を期待していることと思います。タイ側運営にもぜひ全面協力をしてBNK48全体のさらなる人気につなげていってほしいものです。(取材・文◎赤熊賢)
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