【ネタバレしない感想】「アウトレイジ最終章」/久田将義コラム

2017年10月07日 アウトレイジ バイオレンス ビートたけし 北野武

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「映画のある生活っていい」。宣伝文句じゃないけどそんな感想です。「アウトレイジ最終章」。


「アウトレイジ」「アウトレイジビヨンド」を見れば、三作品目に対しては、期待値が高くなるの当然です。ただ、一般論では続編は前回よりクォリティが落ちるというのが巷間言われている事です。しかし二作品目「アウトレイジビヨンド」は前作とはまた違ったバイオレンスを魅せてくれました。

「アウトレイジ」は公開当初「単に人が殺しあっているだけ」という批判も散見されました。でもそれでいいのです。だって「乾いた暴力」を淡々と描いている映画なのですから。そこに観客の感情移入など必要はないと僕は思いました。

 また、見ているこちら側からすれば、北野映画は何となく「ああ、あのヤクザの事件をモチーフにしているんだな」「あの人物をモデルにしているのかな」という楽しみもあります。
 僕も劇場で「アウトしレイジ」「アウトレイジビヨンド」を観たのち、レンタルで多分、十回以上は見直すほどの「アウトレイジ」ファンなので、キャストの豪華さも相まってかなり期待値を高くして観に行きました。

 そして立ち上がり。普通の映画なら、全然問題ないです。しかしアノ「アウトレイジ」シリーズです。ノンストップで場面が展開していく、あのスピード感がない気がしました。中だるみか?と不安な思いがよぎりました。が、やってくれました。

「うわっ、大友やりよった」

 花菱会西野流に言えばそんな感じです。それ以上はネタバレになるので言いません。
 それからラストまで、いつものアウトレイジ節でストーリーが進んでいきます。ラストは......エンドロールを観ずに立ち上がった客もいたので、賛否両論あるのでしょう。が、このシリーズにふさわしかったです。北野作品ぽい、乾いた暴力に徹したラスト。僕はアレでいい、いやアレしかなかったのではないかと思いました。

 キャストはすべて良かったのであくまで個人の好みを羅列しておきます。このシリーズは、実力派俳優が二作連続で出る事が多いわけですが、僕の中では前作までは小向文世、三浦友和。今回は西田敏行が主演かと思うくらいでした。

 また。最後までいい味を出していたのが大森南朋。WOWOWドラマ「ハゲタカ」と映画「ハゲタカ」の好演に並ぶ演技だったと思います。ちなみに個人的に一番、現役感を出していたの本宮奏風でした。

 前作「アウトレイジビヨンド」は女性と観に行ったのですが、残念ながら盛り上がったのは男性である僕だけだったようでした。連休中、ご家族で単独行動したいご主人たち、独身男性の皆さん、「アウトレイジ最終章」を観に映画館まで足を運んではいかがでしょうか。いや、女性も観にいくなと言っているわけではないです、くれぐれも強調しておきますが。たまたま僕のケースが上手く行かなかっただけです。とりあえず近所のバーで飲みながら観に行った同士話したいですね。歌舞伎町のバーだとちょっと覚悟がいると思うので。(久田将義)

一作目「アウトレイジ」から観たくなりました。

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