Photo by DVDでわかる!空手道入門
1960年代。歌謡界に彗星のごとく登場し、ヒット曲を連発した歌手H。いまでもその輝きは薄れることなく、歌謡懐メロ番組以外でも目にすることが多い超大物だ。そんなHが、大阪のとある空手道場でボコボコにされてしまったという話がある。そんな衝撃的な場面を目撃したと話すのは、その道場に通うサラリーマン男性Aさんだ。Aさんはその大事件について証言する。
「稽古の途中に、突然Hさんがふらっと現れまして......。あとから聞いたんですが師範と古い友人らしく、その関係でたまたま練習を覗きにきたとのことでした。Hさんは『久しぶりに汗でも流そうかなあ』とつぶやきながら、全体稽古に参加したんですが......」
その道場にいたのは10代から20代が大半。そんな若い選手に混じって練習に参加した超大物歌手Hは、正拳突きの練習では選手一同が声を揃えて「えいっ!」と叫ぶなか、超大物歌手のプライドのせいなのか、「えいやっ!」と若干アレンジが利いたかけ声を発していたという。その後、全体稽古が組手試合に移ったとき、Hが「僕にも、やらせてください!」と師範に申し出たという。Aさんはそのときの様子をこう語る。
「正直、だれが相手するんだろうと思いましたよ。相手は、テレビに出てる有名人ですから気を遣いますし。ところがHさんが「一番、強い人とやらせてください」って、すごく張り切っていまして、結局、17歳の高校生と組手をすることになったんです」
この高校生は全国大会でまずまずの成績を残す有望選手だったという。審判を務める師範が定位置につき、Hと高校生が向き合ったところで組手が開始......と思いきや、すぐにHは壁際に吹っ飛んでいた。
「組手開始と同時に高校生の回し蹴りがHさんの胴体をえぐったんです。そのまま漫画のようにHさんがぶっ飛んでしまいまして......。慌てて師範が組手を止めようとしたんですが、Hさんは引きつった笑顔で立ち上がり、『大丈夫だよ、大丈夫。まだまだ行こうよ』って言ったんです。超大物のプライドがそうさせたんでしょうが、あそこで止めとけばよかったんですが......」
その後、超大物歌手Hは「人間サンドバック」と化し、ひたすら高校生の正拳と蹴りを受けていた。その後、ついに我慢の限界を越えたのか、高校生の攻撃に背を向けて師範に飛びかかり、逆ギレして叫んだという。
「空手にも常識ってもんがあるでしょうが!」
そう叫んだHの目は赤く腫れてしまい、ポロポロと大粒の涙が流れていたという。数々のヒット曲を世に送り出し、歌謡界では大御所として扱われているHが、自分にとって孫のような世代の高校生にボコボコにされてしまったことが、よほど悔しかったのだろう。また、自分が有名人だけに多少は手加減した「接待組手」を期待していたのかもしれない。だが、悲しいかな高校生にHの知名度は通用しなかった。
Hが逆上して叫んだ「空手の常識」とはなんなのか? この道場でもまだ答えは見つかっていないという。
Written by 村上茜丸
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