今年のNHK大河ドラマは9年ぶりのジャニーズ主演となった。『軍師官兵衛』とタイトルにもなっている主人公、黒田官兵衛を演じているのはV6の岡田准一だ。
おそらく世間一般では、岡田准一の認知度はそこまで高くないだろう。SMAPや嵐のレベルになればメンバー全員の知名度は相当高いだろうが、岡田が所属するV6となると「まだいたの?」と思う人も少なくないはず。当然だが岡田個人としても、これまでに印象的な当たり役があったわけでもなく、キャラクターや業界ランクも不明瞭だった。
特にNHK大河ドラマの視聴者層で、V6や岡田准一を知る人はほとんどいないのではないか。『琉球の風』(1993年)の東山紀之、『新選組!』(2004年)の香取慎吾、『義経』(2005年)の滝沢秀明など、過去の大河ドラマに主演したジャニーズと比べても知名度は大きく劣っている。
しかし、それだけに岡田の俳優としての成長は期待できる。NHK大河という新境地でファン層を開拓できるというのは最高の機会となるだろう。ちなみに、これまで3回放映された『軍師官兵衛』の視聴率は、初回18.9%、第2回16.9%、19日放送の第3回は18.0%となっている(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。ジャニーズが主演した大河ドラマの平均視聴率は『琉球の風』17.3%、『新選組!』17.4%、『義経』19.4%というもの。知名度の割に岡田が健闘していることがわかる。
さらに、昨年末に公開された映画『永遠の0』が興行収入50億円を越える勢いを見せている。興行通信社が20日に発表した全国映画動員ランキングでは、5週連続で1位を獲得中だ。土日2日間の成績は動員30万8257人と5週目にしてなお、人気が落ちていない。来週にはグループ名通り「V6」(6週連続1位)も狙える状態だ。
その岡田が所属するV6は、グループとしての活動がほとんど見られないことでも有名だ。これまで岡田はバラエティで自分を売るでもなく、ドラマ主演だけを続けて現在の立ち位置まで辿り着いている。同じくドラマで主演を張れるSMAPの木村拓哉やを嵐の松本潤などに比べると、所属グループによるバックアップが皆無というハンデキャップを背負っていた。
そのためか、これまでどことなく地味な印象が否めなかったのも事実。「イケメン」には違いないが、どちらかというと古臭い「ハンサム」タイプの男である。嵐・松本潤のように月9ドラマのような浮かれた枠は似合わず、従来のジャニーズとは縁遠かったハードなアクションものやサブカル色強い深夜ドラマで新境地を開拓してきた。
そんな異色のキャリアを持つだけに、岡田准一はジャニーズでは他の誰よりもNHK大河ドラマが似合う。この男は33歳にしてまだまだ伸び代を持っている。
「帰ってきたカルチャースタァ☆平本淳也」
Profile●ジャニーズ出身の実業家、作家、投資家。10歳でジャニーズ事務所から芸能界入り、30歳過ぎまでアイ ドルを続け、現在もテレビや雑誌で活躍を続けるなか、月間100万アクセスを獲るカリスマブロガーとしても知られる。22歳のときに物書きデビューして以 来、34冊の書籍を発表。http://ameblo.jp/junya-hiramoto/
Written by 平本淳也
Photo by 永遠の0 (講談社文庫)
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