独善的な意見と攻撃的な口調で、たびたび論争を巻き起こしているマルチタレントの坂上忍。
とくに近年では司会業が板につき、辛口な物言いながらも緊張感の走る生放送までをもしっかり回せる有能ぶりが、業界内で高い評価を得ています。
しかしそんな彼の存在を煙たがり、あのおいしい立ち位置から引きずり降ろしてやろうと躍起になってる輩がいるのだそうです。
「それは、テレビ東京系列の番組で坂上さんと共演している千原ジュニアです。彼とそこそこ親しくしてる中堅芸人から聞いた話なんですが、どうやら自分と坂上のキャラが完全に被っていると思い込んでるらしく、本来自分に回ってくるべき仕事が全部あっちに流れてるとぼやきまくってると言うんです」
と、話すのはバラエティー番組の構成作家。
テレビの出演回数もあいつのせいで減ってしまった、今は不安で寝つきが悪い、あいつさえいなければ俺が司会業で引っ張りダコだったんちゃうんか? などと、後輩芸人たちに同意を求める日々だとか。
「でも、あまりしっくりきませんよね? どう見てもキャラ被りではないし、知識や顔の広さからいっても坂上さんが優勢。同じ土俵にすら上がってないのではと関係者からは笑われてます」(前同)
たしかに、言われてみれば千原ジュニアの露出は以前に比べると減っているような気がしないでもありません。
ただ、レギュラー本数を調べてみると、現時点で7本。ほか、準レギュラーやゲスト出演などをプラスすると、かなり多忙な日々を送っている印象を受けます。本人はそれでも満足していないと言うことなのでしょうか?
「成功している人を見ると羨ましがる人間っているじゃないですか。ジュニアの場合も多分そっち系でですよね。
ジュニアと週4でつるむほど仲の良い後輩のバイきんぐ小峠は、坂上さんの華麗な現場回しにいつも感心しているそうで、尊敬する人物だと公言。それから最大の味方とされるダウンタウンの松本さんも坂上さんと番組を持っていて毎週和気あいあいと楽しげです。だから自分だけ除け者にされてるような感覚なのかもしれません」(前同)
局のスタッフとの雑談や飲みの席では、坂上さんの評判を下げるような話をわざとしたり、ネットで叩かれているのを見つけると「あの人、このまま消えてしまうんちゃうか」と嬉しそうに笑っているとの情報も。
吉本は先輩後輩の仕組みが非常にややこしいと聞きます。15歳という若さで初舞台を経験したジュニアは、自分より年齢が上でも芸の上では後輩が多い。独特なお笑いセンスでカリスマ性を持ち、芸人としての評価も高い彼ではありますが、坂上忍や有吉弘行、そしてここ数年で再び頭角を現し始めたヒロミなどの難敵に、ジュニアどころかバラエティー全体を長年に渡って牛耳ってきた吉本興業が危機感をつのらせているのかもしれません。
「フジテレビは週12時間も坂上忍頼りになっていて、まるで局アナのような立場になってる。子役時代から含めると相当な芸歴の持ち主で、大物タレントや俳優との親交も深い。
著書『スジ論』では礼儀のないガキは仕事場にいらないと豪語し、視聴者からすればただただ偉そうに見えてしまうのも当然なんですが、しかし彼の勉強量というのは目を見張るものがあります。
チリ一つ許さない潔癖性は仕事でも発揮され、性格が悪いと一言で片付けられてしまうこともありますが、馬鹿正直で自信家で完璧主義。それを相手にも求めてしまうから賛否両論あるんでしょう」(民放局・番組プロデューサー)
ただ面白いことを言って笑わせる時代は終わってしまったのかもしれません。テレビ業界は今、かつての賑わいを取り戻そうと変換期の真っ只中。裏の手や事務所の大きさだけでは仕事が取れない時代になったので、お笑い芸人にとってはより過酷な戦場なのかもしれません。(取材・文◎中川健二)
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