「タレントの美奈子がタトゥー除去」という記事が僕のツイッターのタイムラインに流れてきた。
美奈子は子供に対する想い、子育てへの意気込みをタトゥーにしたという。そして、「今後は肌を出す仕事に就けないかも知れない。それは逆に子供を苦しめる事になる」という苦悩の末に除去することを決めたとのこと。美奈子の場合、タトゥーというより本格的な和彫りで、それもかなり広範囲に渡っていたので話題になったが、芸能人でタトゥーを入れている人は少なからずいる。
押尾学や酒井法子は言うに及ばずだが、「ロンドンハーツ」のDVDを観ていたら、小森純が土下座をするシーンがあった。背中を出した衣装で髪は後ろで縛っていたため、頭を下げてお辞儀をすると首のあたりにタトゥーが見えた。彼女に関しては今さら驚かないが、番組の編集も無防備だったので事務所的に大丈夫かなと余計な心配をした。
また、年末の特番では元プロ野球選手の清原和博がタンクトップ姿で登場していたが、腕にはテーピングが貼ってあった。おそらくそこにタトゥーやら刺青の類いが入っていたのではないだろうか。
なぜ、そう感じたか。アマチュアの格闘技を観戦しに行くと、大会によってはタトゥー禁止の場合がある。そんなときに選手はTシャツ着用で隠したり、タトゥーの部分にテーピングをして隠す。その姿が年末特番の清原とひじょうに似通っていた。
彫師に話を聞いたことがある。彼自身も手首から足首まで和彫りを入れていたが、当然ながら公衆の面前ではそれを表には出さない。真夏でも長袖で過ごし、刺青を人前に見せることはなかった。
「タトゥーや刺青は要は自己満足なんですよ。それでいいんです」と彼は言った。
サッカー海外リーグの中継などでは、南米やヨーロッパの選手が、ラグビーではオセアニアの選手がこれでもかと言わんばかりの本格的なタトゥーを入れているのをよく見かける。
言うまでもなく、タトゥー(刺青)には日本と西洋では大きく考え方が異なる。タトゥー=暴力団というイメージが強い日本ではやはり自己満足の世界に留めておいた方が何かと無難だ。美奈子の場合はテレビに出るためのネタになったのでいいだろうが、「みなし公人」とされる芸能人がタトゥーを入れているというのは致命的なイメージダウンに繋がる。
では公人中の公人といわれる政治家で、タトゥーを入れている人物は存在するのか。小泉純一郎の祖父で逓信大臣や衆議院副議長を務めた小泉又次郎が「いれずみ大臣」と呼ばれたことでも有名だが、それとて今から150年も前のことである。今ではそんな閣僚は世論が許さないだろう。やはり、日本人にとって刺青は一線を越えた行為なのかもしれない。
Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)
Photo by ハダカの美奈子 R-18 [Blu-ray]
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