中川淳一郎の俺の昭和史

1985年の阪神タイガースを振り返ってみると凄まじい数字が浮き彫りに|中川淳一郎

2018年03月20日 プロ野球 中川淳一郎 阪神優勝

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 プロ野球シーズンも開幕間近だが、日本一からもっとも遠ざかっているのは広島カープの34年(最後は1984年)、次いで1985年の阪神タイガースである。ここでは、私の大好きな阪神タイガース日本一の年を振り返る。

 1985年の優勝は1964年以来「21年ぶり」と話題になった。この年は「新・ダイナマイト打線」の活躍によりセ・リーグを制覇し、清原和博が入る前年の西武を日本シリーズで4勝2敗で破り、日本一に輝いた。小学6年生だった私はこの時「滅多にないことだから!」と親から多数の「阪神優勝!」雑誌を買ってもらったものである。

 この時冗談交じりに「次の阪神の(セ・リーグ)優勝はまた21年後かなwww」みたいなことを言われたが、実際は18年後の2003年であり、まぁ、同じようなものであるし、日本一からはもう32年も遠ざかっている。

 この年の阪神の強さについては投手陣は決して強かったと言えないチームだっただけに、真弓明信、ランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布の打者4人の活躍にあると見る向きもあるが、私は他球団からやってきた打者の脇役にすさまじき「仕事人」が並んでいたことが勝利の要因だったのでは......と考えている。そりゃ、この4人の成績はすさまじい。とんでもない成績を紹介しよう。並びは打数→安打→打率→本塁打→打点である。

真弓(1番):497-160 .322 34 84
バース(3番):497-174 .350 54 134
掛布(4番):476-143 .300 40 108
岡田(5番):459-157 .342 35 101

 この4人で1929安打634安打の.329、163本の本塁打、427打点を稼いでいるのだから他がボンクラでも優勝できたかもしれないが、日本一を決めた日本シリーズ第6戦で満塁本塁打を放った長崎啓二をはじめとし、弘田澄夫、永尾泰憲の3人が重要だったと考えられる。
 長崎は大洋(現・横浜DeNA)で、弘田はロッテでレギュラーを張ったほどの選手で2番手レギュラーとしての登場及び先発陣に何かがあった時の安心材料として絶大なる存在感を示した。ヤクルトでも控えが多かった永尾だが、1985年は代打の切り札として凄まじい打棒を誇った。とにかく「代打・永尾」のコールが出たら「こりゃ、ヒット打つわ」という安心感があったのだ。この年の3人の成績は以下の通りである。

長崎:.106-30 283 6 25
弘田:223-66 296 5 22
永尾:49-16 .327 0 4

 長崎は大洋時代の1981年のセ・リーグ首位打者である。この年は長崎の方が打席数が少ないうえに、首位打者争いをしていた中日の田尾安志との対決の際は大洋の投手陣が田尾を四球で歩かせ続けたため批判はあったものの、阪神ファンとしては「あの長崎が阪神に入るのか!」と85年シーズン前には興奮した。

 これが1981年の長崎の成績だ。

396-139 .351 11 49

 そして、弘田である。ロッテでは1975年に491打数148安打(この年のパ・リーグ最高)を記録し、.301の11本塁打、54打点で35盗塁を記録した。阪神入団1年目も361打数113安打で.313を記録した弘田が控えも含めて存在したのは大きい。

 永尾は阪神在籍1年目に主に代打として.358を打っていただけに期待はしていたが、本当にこの年は弱い先発投手陣の代打として永尾がヒットを量産し続けてくれた。

 1985年の「阪神優勝」に関しては「バース・掛布・岡田のバックスクリーン3連発」やら「史上最強の助っ人・バースの大暴れ」「新・ダイナマイト打線」といった文脈で語られがちだが、長崎、弘田、永尾が大いに活躍したこともここで付記したい。

 また、投手陣に関しても、池田親興、リチャード・ゲイル、中田良宏の3本柱に加え、山本和行、中西清起のダブルストッパーが貢献者とされているが、6勝3敗を挙げ、75回を投げて防御率3.84を残した工藤一彦と、35と3分の1イニングを投げ、防御率3.31の成績を残した佐藤秀明の地道な活躍を挙げておきたい。(『オレの昭和史』中川淳一郎連載・第十五回)

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