先週終了したNHK朝ドラ「あまちゃん」。
このドラマの特色として、見たあとに語りたくなる「解釈の自由」がたっぷりあったことだ。
最終回は「2012年7月1日」。ローカル線「北鉄」の一部区間が復旧して運転を再開した日。
オープニングの式典のシーン。市長の足立功(平泉成)が登場した。足立ユイ(橋本愛)の父親でもある足立功は、岩手で政治家として歩んできた。
ふと思った。
「足立功は、岩手のドン・小沢一郎系の政治家なのか、否か。」
先日「あまちゃん」ロケ地の久慈市に行ったら小沢一郎のポスターをよく見かけた。岩手はあまちゃんならぬ「いっちゃん」のおひざ元であることをあらためて痛感したのだ。
しかし、岩手が「小沢王国」のままなら「ユイの父ちゃんも小沢系なんだろな」で終わった話だが、いま岩手でも小沢神話に陰りがあると言われている。とたんに想像で遊べる「余白」が発生するのだ。検証してみよう。
「あまちゃん」でユイの父親&県会議員として足立功が登場したのは2008年の設定。このことから足立功の直近の選挙は「2007年の統一地方選挙」だった可能性が高い。
小沢一郎のWikiには、
「2007年(平成19年)4月8日に統一地方選挙(前半)が行われ、地元・岩手県の知事選挙で小沢チルドレンの代表格である達増拓也が当選。岩手県議会議員選挙でも、議席を増やし第1党を維持」と書かれている。
「小沢躍進」のこの選挙、おそらく足立功も当時の民主党代表である小沢一郎系だったと考えるのが無難だ。地方選で勝った小沢は夏の参院選でも民主党を勝利させ、安倍首相(第一次)を辞任に追い込む。
次のポイントは「2009年」。足立功は病気で倒れてしまうからだ。娘のユイの東京行きは中止。看護に疲れた妻は蒸発。最大のピンチ。いっぽう小沢一郎の2009年は何があったのか。
2009年5月、西松建設疑惑関連で公設秘書が逮捕された件で小沢は民主党代表を辞任。民主党自体は9月の衆院選で政権交代を果たす。
足立功のリハビリ中には、いわゆる陸山会事件で小沢秘書だった石川知裕衆議院議員らが逮捕される事件も起きる(2010年1月)。
小沢はそのうち「党員資格停止」処分も受け、民主党内での政争の末2012年に遂に離党。
ドラマでは足立功はこの間、何を決断したのか。
2011年の震災を経て、北三陸復興のために「市長選」に立候補したのだ。
ドラマの北三陸市のモデルである「久慈市市長選」を調べてみると意外なことがわかった。
直近では2010年3月14日におこなわれた久慈市長選は、「無所属で現職の山内隆文氏(58)が、いずれも無所属で新人の元岩手県職員遠藤譲一氏(56)=民主・社民推薦=、会社役員宮古邦彦氏(70)を破り、再選を果たした。山内氏は(略)県議時代からの厚い後援会組織に支えられ、激戦を制した。」(河北新報)とある。
この選挙を「足立功が当選した2011年の北三陸市市長選」と重ねて考えてみよう。
久慈市長選の山内氏は2003年からの現職であるから、ドラマ内の「市長選初出馬」の足立功とは状況が違う。しかし「無所属の候補が勝ち、民主党の推薦候補が敗れている」点に注目したいのだ。
そして当選した山内氏は「県議時代からの厚い後援会組織に支えられ、激戦を制した」という点。
「こっちの世界」と「あまちゃん」がリンクしてるなら、足立功も市長選には無所属で臨んだのではないか?
自ら復興の先頭に立ちたいと考えた結果、この市長選に出るため当時はまだ民主の「小沢系」から無所属を選んだのではないか?
そう考えると、ドラマで描かれていた足立功への地元「海女軍団」の強烈なバックアップは、かつての「石原軍団」を上回る心強さだったと推察できるのだ。
というわけで下世話どころか妄想でお届けした、今週の「余計な下世話」でした。
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Written by プチ鹿島
Photo by 連続テレビ小説「あまちゃん」オリジナル・サウンドトラック/ビクターエンタテインメント
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