昨年の大晦日に放送されたNHK「紅白歌合戦」の視聴率が44.5%、過去10年で最高だったという。
紅白はツイッターと親和性が高い。多くの人たちが「同じ時間に同じモノを見る」稀有な瞬間であり、おまけに今回は「綾瀬はるか、能年玲奈、ふなっしー」という大ボケがいた。わいわいツッコミたいツイッターと相性が良いに決まってる。
考えてみれば「紅白」自体、ずつと大ボケの存在だった。
昭和の紅白は「ふだんおカタイ人(NHK)が大晦日にハシャいでみせる」お祭りで、「野鳥の会」とか「南極からの電報」の大げさや気恥ずかしさが、大晦日というハレの空間で相殺された。そのお役所祭りに漂う伝統や古臭さが昭和の終わり頃から本気で馬鹿にされ、紅白はしばらく低迷した。
しかしここに来てそれらのダサさがいい具合に「SNS」というツッコミツールにハマったのだ。紅白を本気で嘲笑するプロのライターの文章より、「大ボケ・紅白」をツッコミつつ楽しむというSNSスタイルが好まれている。しばらく紅白は強いと思う。
そんな紅白だが、まだ「紅組勝て、いや白組勝て」と気合を入れて見ている人がいるのだろうか。私はいると思う。そう思うのは、白組の異様な強さだ。
ここ10年、紅組の2勝に対し白組は8勝。2005年から2010年までは白組の6連勝で、ひとつ負けをはさんでまた連勝中。ヒントになるかもしれないのが、2002年から導入された「お茶の間審査員」方式だ。デジタル放送の双方向機能を利用した投票が行われるようになった。
「直接民主制」の実現である。こうなると確実に投票してくれる熱心なファンがいる組ほど優位に立つ。
しかし、白組の「嵐」が人気があるのはわかる。でも紅組にだって「AKB48」がいるではないか? それこそ彼女らのファンは「投票」というシステムには慣れているはず。なぜ紅組はこうも負けが続くのか? というワケで知り合いに聞いてみた。できればジャニーズとかアイドルにハマっている人がいい。実際に紅白に投票してる人がいい。
30代・ジャニーズファンの女性の意見がおもしろかったのである。まず「氷川きよし票を舐めるな」という指摘。そうだ、ここにも強い人がいた! さらに「EXILEもいるし、勢力的に白組は大手がいるから堅い」。
まるで選挙の票読みだ。
「でも紅組にはAKBがいるけど」と私が問うと、「AKBファンはあまり紅白に興味がないのでは」という推察が返ってきた。
え?
「彼らは、AKBのなかで競わせるのが萌えるのかなーって。」
あくまで個人の考えであり見当違いかもしれないが興味深い見立てだ。この女性に投票の方法を知っているか尋ねたら「TVリモコンとスマホを駆使すれば2票イケる」と、やはりくわしかった。
で、2票とも白組に入れたのかと問うと「今年はジャニ票の前に、兄にモノノフ票を入れられた」。ももクロファンが頑張っていました。昔懐かしいリモコン争奪戦が、大晦日には一部の家庭で勃発しているのかもしれない。
Written by プチ鹿島
Photo by marfis75
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NHK紅白に呼ばれた「今年の顔」の格差問題...プチ鹿島の『余計な下世話!』vol.24
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