プチ鹿島の「余計な下世話」

小向美奈子、3度目の逮捕は興行に生かせず!?|プチ鹿島の『余計な下世話!』

2015年02月10日 プチ鹿島 小向美奈子 覚せい剤

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 小向美奈子が覚せい剤所持で3度目の逮捕。スキャンダルをバネにして興行に生かす、という手法は私はアリだと思うが、でもやはり「1回」だけだ。最初の逮捕で執行猶予判決を受けた後、浅草ロック座に出演したときは世間を巻き込んで大騒動になった(2009年5月)。行かなかった私はちょっと後悔した。

 次なる機会は翌年に巡ってきた。映画『花と蛇3』に小向美奈子が主演したのだ。2010年は「パート3」の当たり年。『踊る大走査線3』『トイストーリー3』『花と蛇3』と揃った。今にして思えば小向美奈子は「3」という数字に縁があるのかもしれない。

●プロレス好きの彼女はこう言った。「どんな地方でも絶対手を抜かない」

 浅草ロック座に行きそこなった私は『花と蛇3』舞台挨拶へ行くことにした。いったいどういう客層が初日に駆けつけているのか?という興味。並行してこんなこともあった。映画のプロモーションとして小向側はロフトグループの情報誌の取材も受けることになった。当時ロフトプラスワンでライブをよく開催させてもらっていた縁で私が話を聞きにいくことに。

 当時ストリップでも全国をまわっていた小向美奈子。事前にツイッターをチェックしたら、どうやらプロレス好きらしい。ファンから「猪木とは何か?」という本をプレゼントされたとつぶやいていた。なんちゅう濃いプレゼントしてるんだと思ったが「嬉しい」と言っていたので、私は部屋にあったアントニオ猪木フィギアを土産代わりに持参した。

 フィギアを渡すと「エンターテインメントとしてのスポーツの中で、プロレスが一番かっこいい」と小向美奈子。嬉しくなった私は小向が「どんな地方でも絶対に手を抜かない」と言うので「それは天龍イズムに通じます」と指摘し、「たぶん来たものは何でもやっていくと思います。」とも言うので「そこは猪木イズムですね」と言った。今にして思えば、あの頃ぐらいの「スキャンダリズムの併用」だったらよかったのだが......。

 さて映画『花と蛇3』初日(2010年8月28日)。場所は今はなき銀座シネパトス。張りきって映画館へ続く階段を降りると、チケット売り場が50歳以上のおじさんで占拠されていた。劇場に入っても客層を見たいので場内を2周。2周目には目が合うおじさんもチラホラ。場外馬券売り場が近いせいか、競馬新聞を握り締めているおじさんが何人かいた。ディープインパクト(馬)の帽子を被っているおじさんも。私の隣の席は数学者・秋山仁先生似のおじさんだった。鼻息が荒かった。

 最初の濡れ場になると館内がピリッとした空気に変わったのが今でも印象深い。しまいには「あ......」と声を漏らしたおじさんももいた。そして終了後の舞台挨拶。なんと原作の団鬼六先生も登場。鬼六先生は「小向さんが良かった。小向さんは"そっちの気"がある」「小向さんはマゾヒスト。目を見ればわかる。今まで使った女優はそうじゃなかった」と発言。

 すかさず小向は「ドMでーす」と発言。館内に笑いと拍手が巻き起こる。このあと小向美奈子はAVの世界でも活躍。何度も思うのですが、この頃ぐらいのスキャンダリズムの生かし方がベストだったように思う。うまくいっていた。

 でもやはり「パート3」は多すぎる。

Written by プチ鹿島

Photo by 映画「花と蛇3」

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プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆TBSラジオ「荒川強啓ディ・キャッチ!」◆YBSラジオ「はみだし しゃべくりラジオキックス」NHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」

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