もしかしたら、この人はとんでもない強運の持ち主ではないか? 高木毅氏のことだ。安倍内閣で復興相を担当しているあの方。
高木氏が大臣就任して以来、マスコミから指摘されているのが下着泥棒の話。昨年の「週刊新潮」(10月22日号)に《「安倍内閣」が踏んだ大型地雷! 「下着ドロボー」が「大臣閣下」にご出世で「高木毅」復興相の資質》という記事が出た。
■菊池桃子が「パンツの穴」を埋めた?
噂レベルではない。記事には被害者の妹や、警察に通報した目撃者の「白い手袋をしていた」というコメントも載っていた。いくら30年前の話とは言え、大臣という「超・公人」になればこの件について取り沙汰されるのは当然だ。
これは逃げられないかと思いきや、意外な「助っ人」があらわれた。同じ時期に「1億総活躍国民会議」の初会合が官邸で開かれ、民間議員に選ばれた菊池桃子の活躍にマスコミは夢中になったのである。 菊池桃子といえば映画デビュー作は「パンツの穴」。期せずして高木氏のパンツの穴を埋めた形となった。
しかし今年。決定的な記事が出た。高木氏の地元・福井県の「日刊県民福井」の1面。『高木氏週刊誌報道 窃盗疑惑は「事実」』(1月13日)。
当時の事情を知る元捜査関係者が証言したのだ。遂に地元紙が1面で書いたという衝撃。今度こそ進退窮まったかと思いきや、この記事が出た1月13日はSMAP解散報道と重なり、全国的にはあまり話題にならなかった。
そして先週である。「週刊文春」が「TPP立役者に重大疑惑 甘利明大臣事務所に賄賂1200万円を渡した」という記事を載せ、いま世間の目は甘利大臣に集中している。甘利氏の安倍内閣での存在感を考えると、進退の行方は高木パンツ大臣どころではない感じになっている。パンツが見えなくなってしまった。
もはやこれまでと思いきや、そのたびに神風が吹く高木大臣。なんという強運・悪運の強さだろう。ライバルが次々に消え、いつのまにか首相になってしまった森喜朗の強運すらほうふつとさせる。多くの人が軽視していたらスイスイと成り上がってしまうパターン。下着泥棒から首相の座へ。高木毅の快挙なるか。
Written by プチ鹿島
Photo by 「パンツの穴」
プチ鹿島●時事芸人。オフィス北野所属。◆TBSラジオ「東京ポッド許可局」◆TBSラジオ「荒川強啓ディ・キャッチ!」◆YBSラジオ「はみだし しゃべくりラジオキックス」◆NHKラジオ第一「午後のまりやーじゅ」◆書籍「うそ社説 2~時事芸人~」◆WEB本の雑誌メルマガ ◆連載コラム「宝島」「東スポWeb」「KAMINOGE」「映画野郎」「CIRCUS MAX 」
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