プチ鹿島の「余計な下世話」

「一番悪いのは馳」森喜朗の放言と聖火台問題|プチ鹿島の余計な下世話!

2016年03月08日 プチ鹿島 森喜朗 聖火台問題

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 プロ野球も開幕まで1ヵ月をきり、スター選手の調整にもピッチがあがる時期だ。「ソフトバンク柳田が今季実戦1号」などの見出しがスポーツ紙に躍る。そんななか、この人もさすがである。

『森五輪組織委会長、一番悪いのは馳浩文科相「聖火台のない国立は風呂のない家だ」』

『森五輪組織委会長「少し頭のおかしな連中が、聖火台忘れて設計図をつくっちゃった」』(どちらもスポーツ報知・3月6日)

 まさに「お待たせ森喜朗 今季1号」という貫録だ。この"今季1号"が出たのは3月5日の山梨・甲府。「ラグビーワールドカップ2019日本大会を成功させる山梨の会」の設立総会の来賓あいさつだった。

 私は山梨で午後のラジオ番組を持っているのですが、先週、設立総会を目前に控えた会長が私の番組にきた。「W杯のキャンプ地を山梨に誘致したい」などの活動目的をアピールしたのだけど、私は「森喜朗が来賓でやってくる」ことだけに興味を覚えた。

「森さんが来るのですか!? また余計なこと言いそうですねぇ」と言うと会長は絶句&苦笑いのまま。でも実際、東京のマスコミは森喜朗の発言のみが目当てで土曜に来たのだろう。その"包囲網"をかいくぐってやっぱり森喜朗は「打った」。さすがである。

 今回の発言は実はブレていない。昨年7月の森喜朗の発言を紹介しよう。当時、新国立競技場の建設費高騰やら計画遅れの問題で大会組織委員会会長・森喜朗への批判が最高潮のなか、メディアに出てきたときこう言っている。

《JSC(日本スポーツ振興センター)は文科省の下部組織である。こんなに大きな事業(五輪)をする部署がもともと無い。文科相もスーパーゼネコン相手に交渉する体験もないし専門家もいない。だから今回の責任は文科省にある。つまり文科相。》(2015年7月18日・BS朝日「激論!クロスファイア」)

 森喜朗的に言うなら、自分の働きのおかげでラグビーW杯も東京五輪も決まった。あとの具体的な作業は文科省に任せた。そう思っていたら雲行きが怪しくなってきた。不甲斐ない文科省としたたかなゼネコン。だから今回の聖火台問題でも「一番悪いのは馳浩(文科相)です。文部科学省です」であり、「少し頭のおかしな連中が、聖火台忘れて設計図をつくっちゃった」のである。恨み骨髄。

 馳浩の名指しも味わい深い。森喜朗にとって馳浩は自分が政界にスカウトしたまな弟子である。今回、下村博文氏が文科相のときよりハッキリ名指ししている。安心して叩けるのだろうと思うと、私などはむしろイチャイチャ感を感じてしまう。

 さて、JSCも文科省も実務的な部分でサッパリだったことはわかる。でも昨年夏、安倍首相がザハ案を白紙表明する前に2日続けて森喜朗に会って「説得」したことをみれば、新国立競技場問題のトップはやはり森喜朗なんだと思う。何度も言うがそんな「自分への重圧」のなか、よくぞ言い放った。今年も森喜朗は30発ぐらいの放言が期待出来ます。

Written by プチ鹿島

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