先日イベントで「ドジな話」というお題があった。1分以内というルールだったのでそこでは話せなかったのだけど、実は先週とんでもない大ネタがあった。
ある駅の近くにあるコンビニに寄ったときのこと。新聞、雑誌、飲み物など約2000円ほど買い物をすると、店長らしき人がレジで対応してくれた。年令は40代後半から50代か。アロハが似合いそうな感じがある。
私が1万円札を出すと、店長はお釣りの千円札を私の目の前で「1枚、2枚、3枚」とやたらゆっくり大声で数え始める。そのあと飲み物と新聞・雑誌について「袋は別々にしますかー」と大声で言いかけたのだが、すぐに「袋は一緒にしますっ!」と言いなおして袋詰めした。
この一連の流れ、店長はいちいち言わなければいけないマニュアルの言葉にどこかイライラしているようだった。逆ギレの威圧感すらあったから私は無言でやりすごしていた。
すると店長は急に左を向いて、
「なんか答えろよバーカ。」
とつぶやいたのである。え、え、え!
もちろん、それまでの接客の言葉とちがい、腹話術の人形を扱うときのように口を動かさなく、スレスレの小声だ。まさにつぶやきである。しかしいくら何でもこんな至近距離で言われたら誰だってわかる。その捨てゼリフにまず驚いた。
さすがにここは尋ねなければならない。
「いまバカって言いましたよね。」
すると店長は、「言ってませんよ~。お客さんの聞き間違えじゃないですかぁ」と涼しい顔ですぐに答えた。
想像してもらえばわかるが、もしそんな言葉を言っていなかったら私の質問はとんでもない「変化球」のはずである。客が何を言っているかわからず一瞬戸惑うはずだ。意味がわからないはず。しかし店長は間髪を入れず「言ってませんよ~」と返してきた。そして「お客様相談センターに電話すればいいんじゃないですかぁ」ときた。
そのときの店長の目を見ると、怪演時のムロツヨシのような目。つまり、ヤバい。
衝撃の私は、コンビニを出てまず妻に電話した。「コンビニで店長が客に"バーカ"という」この事実を信じてもらえるかどうか。
妻も店長の雰囲気を知っていたのですぐに理解したが、「気味が悪いからと言ってこっちが引いてたらああいう人はさらにキレる。(あなたも)ドジだよ。」
これが、私の先週いちばんの「ドジな話」だった。
でも、何度考えても「答えろよバーカ。」とお客がレジで言われるのはおかしい気がする。そしてもう一度、「言ってませんよ~。お客さんの聞き間違えじゃないですかぁ」というくだりを読みなおしてほしい。これは「ゾッとする話」でもある。
「あなたとコンビに」というお誘いはもう断ることにした。
Written by プチ鹿島
Photo by Pai Shih
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