舛添都知事が辞職した。その瞬間、メディアは舛添氏には興味がなくなり次の都知事は誰だ? というムードになった。報道だけではない。都議会も(強い調査権がある)「百条委員会」の設置案は消えた。舛添氏自身も知事として最後となる定例記者会見を欠席。つまり、疑惑についての説明がこのままないまま終わりそう。
私は舛添氏個人を徹底的に追及せよ、と言いたいのではない。結局辞めさせることが目的で、あれだけ騒いだ政治資金についてはもうどうでもいいのか? と思ってしまうのだ。
いや、最初から政治資金規正法についてはノータッチで温存したいのかもしれない。下手にルールを再考するより、このままにしておいたほうがまたいつか「小憎らしい奴」があらわれたときに使えるからだ。お前のその金の使い方が気に食わないと。政治資金収支報告書とは、気に食わない奴が暴れだしたときの切り札として今後も存在する。
今回、舛添氏の「セコさ」が言われたが、公私混同以外にも、私もあの庶民感覚は謎だった。「ホテル三日月」家族旅行、自宅近くの回転寿司などなど。それらを税金で処理するのはあまりにも「庶民ウケ」してしまった。そんなことを考えていたある日、インタビューを受ける仕事があって、そのあと女性編集者らと「なぜ舛添氏は庶民的なのか」の話になった。
なるほどと思ったのは、舛添氏は長くエリート街道を走ってきて恋愛や結婚遍歴も派手だったが、年をとって落ち着いて初めて庶民の味を知ったのでは? という説だ。
スパ温泉とか回転寿司とか、庶民にとっては普通のものが、舛添氏にとっては「めちゃくちゃ新鮮」だったのかもしれない、という。中年以降に恵まれた子どものためなら、喜んでオーシャンスパに入るかもしれない。
たしかに、片山さつきと結婚していた頃は間違ってもスパ温泉や回転寿司には行かなかったと思う。そんなところへ連れて行ったら片山さつきが怒りそうだからだ。
今回、片山氏は舛添氏のゲスぶりを熱心に批判していたが、だからと言って自身の好感度はまったく上がっていない。どちらにも同情が発生しないという点では本当に稀有な元夫婦である。
Written by プチ鹿島
Photo by 東京を変える、日本が変わる
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