NHKが行った安倍内閣への忖度人事が露骨過ぎる 森友問題をスクープしたNHK記者が退職に追い込まれていた!|プチ鹿島
露骨な人事を行ったNHK
先日番組で「あなたの活力源」というテーマがあった。私は迷わず「スポーツ新聞」と答えた。朝刊スポーツ紙だけでなく夕刊スポーツ紙やタブロイド紙も含め、私はあのド派手さが好きだ。キオスクやコンビニで取り出した瞬間の「今日は何が書いてるんだろ」というワクワク感。
スポーツ紙やタブロイド紙は生活必需品ではないが、あると楽しい。こういう存在こそ貴重だと思う。豊かさを感じる。
とくにタブロイド紙とは大人の付き合い方が学べる。噂や刺激的なゴシップが載っているからだ。それを妄信するでもなく全否定するでもなく、いったん心に留めておく。
案件によってはその後に一般紙でも報じられる「ホントの」ニュースになるのもある。だから馬鹿にできないし、野次馬心をくすぐられるのだ。最近だったら「貴乃花政界進出」という噂を半信半疑で楽しんでおく。
今年の5月、タブロイド紙から発信された話題があった。
『NHK「森友問題」スクープ記者を"左遷" NHK「官邸忖度人事」断行 メディア関係者に衝撃走る』という日刊ゲンダイの記事である(5月17日発行)。
内容は、
・森友学園問題に関するスクープを連発していたNHK大阪放送局の記者が突如"左遷"されたという。
・A記者は現在、大阪放送局の報道部の副部長だが、来月8日付で記者職を離れ、番組チェックなどを行う「考査室」へ異動する内々示が出されたという。
・やはり"忖度人事"なのか。
だった。
本当ならすごい話だ。でもすぐ言いふらさない。心に留めておく。というのも記事の最後は
《A記者に話を聞こうとしたが、「私の立場ではお答えすることはできません」と口をつぐんだ。NHKに問い合わせると、「職員の人事に関して、原則、お答えすることはありません」(広報局)と返答した。》とあるからだ。
すると、夏が過ぎたころにどうやらあの記者はNHKを辞めたらしい、という噂がちらほら。
そしてこれ。9月末にドカーンと出た。
『相沢記者が語る「森友事件の本質」と「移籍の思い」』(大阪日日新聞9月28日)
《NHKを先月末に退職し、新日本海新聞社が発行する大阪日日新聞に移籍した相沢冬樹記者(55)は、森友学園への国有地売却問題を一貫して取材してきた。移籍後も、森友事件を追及しているが、そもそも、なぜ大手メディアから地方紙の記者に転身したのか。》
なんと、噂の記者は大阪日日新聞に移籍していた。そして紙面で実名を出して経緯を語ったのだ。NHK退職の経緯については、
《突然、大阪の報道部から考査部へ異動を命じられました。私は森友事件を中心になって取材し、そのことはNHK内の誰もが認めていた。そして、異動が伝えられた5月は、財務省の背任事件に対する大阪地検特捜部の捜査がヤマ場を迎えていた時期で、しかも、いつ終わるか分からない。そんな時期に取材担当者を代えますか。異動先の考査部は番組を放送後に講評する部署です。これは私にとって左遷と言うより、記者という生きがいを奪う行為です。生きがいを奪われたから退職を決意しました。》(大阪日日新聞・同)
ああ、噂は本当だったのである。
webで読めるので確認してほしいが、この記事を読んだときの気分と言ったら!存在が噂された未知の生物がいきなり姿をあらわしたような興奮を覚えた。
こういうのがあるからスポーツ紙やタブロイド紙はたまらないのである。決して無駄ではないと思うのである。
どうせ、東スポでしょ?ゲンダイでしょ?フジでしょ?とハナから相手にしない方、たまには読んでみたらどうでしょう。いろんな意味で鍛えられます。(文・プチ鹿島 連載『余計な下世話』)
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