やしきたかじん死去。07年のDVD化を記念して『たかじんnoばぁ~』が特番で復活するとき、ボクは番組を観覧した上でたかじん取材をしたことあるんですけど、すごかったですよ。たかじんの関西の帝王ぶりが。水割り片手にフラリとたかじんが現れるとそこから本番が始まり、たかじんがフラリといなくなると本番終了で、そこからの取材だからもう完全に酔っ払ってるし、ホテルで収録してたから控室はその大広間で、とっとと取材を終わらせて早く飲みに行きたいオーラ全開で一人座って飲み続けるたかじんと、その周りを30人ぐらいのスタッフがピリピリしながら立って取り囲んでる状態で、異常なプレッシャーだったんですよね。番組放送当時、しょっちゅうスタッフをブン殴ったり 、ベランダから突き落とそうとしたりもしていたから、みんな完全にビビってるんですよ。もともと『たかじんnoばぁ~』は、水商売出身のたかじんが仕事を断りたくて「収録中に酒を飲ませろ!」「俺がバーのマスター役になるからセットを豪華なカウンターバーにしろ!」と無理難題を言ったら、それがあっさり実現しちゃった番組で、収録中にゲストも自分も本気で酒を飲み、みんな酔っ払って問題発言を繰り返してたから話題になったんですけど、それは司会のたかじんが飲んでるからゲストも飲まざるを得なくなり、そのうちセットが豪華すぎて本物のバーに思えてくるというトラップだったんですよね。たかじんも、その時期は飲み過ぎで手が震えて止まらなくなるぐらい命を削った番組作りをしていて。いまだったら確実にスポンサーがNGを出すだろうけど、「関西でスポンサーなんか気にしたこと、1回もないですよ。関係ないですもん。東京はアホやからね、来よるのよ、スポンサーが。スタジオで立っとんねんもん。いまでもおるんちゃう? わからんヤツがウロウロすんな、アホ! あんなの安物のパンパンみたいなもんやから。そんなのに気を遣ってるとやっぱりテレビって面白くなくなってくんですよ」と言い切っててシビレました。あと、ボクが『砂の十字架』を小学生のとき買ったと言ったら「あれは汚点!」「『ガンダム』なんかいまでも知らん!」と言ってたのと、秋元康を「世渡り上手の罰当たり」と評していたのが印象的。
【関連記事】
大沢樹生と99.9%長男の壮絶すぎる虚言?エピソード...『ほぼ日刊 吉田豪』連載102
Written by 吉田豪
Photo by やしきたかじん・ゴールデン☆ベスト
【関連記事】
●長澤まさみが飲み会でお笑い芸人をドン引きさせた「お下劣トーク」の中身
●一斉摘発された中国・覚醒剤村の真実「俺はあの村へ招待された...」
●「商売道具盗んだの誰や!」関西系大物芸人が駅構内で大暴れした顛末