いまでは誰も話題にすらしなくなった日野皓正の往復ビンタ騒動ですが、真犯人がわかりました。エレキの神様・寺内タケシ先生です!
いや、ついさっき『思い通りに生きてやる エレキ一筋40年 寺内タケシ』(著・名倉和彦/84年/一光社)という本をパラパラ読んでいたら、「寺内学校」という章にこんなことが書かれていたわけですよ。
寺内タケシの初代バンドボーイ(いまで言うローディー)が布施明だったという話から、「それからワイルド・ワンズを結成した加瀬邦彦。〈思い出の渚〉を作ったのが彼です。ほかに尾崎紀世彦、黒沢ひろし(ヒロシ&キーボー)、大石吾郎、それからホタテマンと呼ばれている安岡力也、全部ウチの出身です。トランペットの日野皓正も、うちから〈トランペット・イン・ブルージーンズ〉という東芝からのレコードでデビューしたんですから」と語る寺内タケシ。
日野皓正も含めて、寺内タケシはバンドボーイをこんな感じで鍛え上げたとのことです。
「スパルタの〈寺内学校〉を出た連中は、みんないい根性していますよ。僕は本当に殴ったんだから。今でもそうですが、しごきますよ。芸事というのは、体で覚えるもの――というのが僕の基本姿勢ですから。(略)能書きじゃ芸事は覚えませんよ。わからない時にはぶっ飛ばします。くやしかったら覚えろ、と言ってね。これだけですね、うまくなるのは」(寺内)
寺内学校というよりもタケシ軍団と呼びたくなるレベルの鉄拳制裁ぶり!
この後の、「寺内は空手の有段者である。本気で殴ったら片輪の続出となる。学生時代、数々の大立ち回りで"勇名"をはせている」という著者の文章もどうかと思うんですが、寺内タケシは拳を鍛え上げた人間凶器だからこそ、こう言い切るわけです。
「だから、木刀とか竹刀で殴りました。あれだと死にゃあしないから。手で殴ると、鎖骨や肋骨を折っちゃうんです」(寺内)
......すいません、竹刀ならまだしも木刀を使ったら鎖骨や肋骨ぐらい簡単に折れるし、下手したら死にますよ!
ところが寺内タケシに言わせると、木刀でボコボコにするのも「優しさの表現」なんだそうです。
「本当はたたいている方が痛いの。これは親と子の関係でも言えるんですよ。いくらスパルタ式でやっても、たたいている方がそういう思いなら、やっぱり優しさの表現だと思います。おやじの手の方が痛いはずですよ、殴られるよりも」(寺内)
つまり、日野皓正はこんな寺内学校での教えをいまも忠実に守り続けているだけなんじゃないかと思ったわけです。日野皓正往復ビンタ騒動のとき、マスコミはすぐ寺内タケシにコメントを聞きに行くべきだったのに!
文◎吉田豪
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