【特集◎NHK紅白歌合戦の闇】 「ジャニーズ枠」とは何か・最終回! ~最大のジャニーズ枠は司会の独占「中居→井ノ原→嵐→相場と二宮」まで|文◎平本淳也(元ジャニーズJr.)
業界での「私物化」はよく問われるが、最近で言えばLDH(三代目 J Soul Brothers)による「レコ大1億円」がニュースとなった。「賞も枠も金次第」と揶揄されつつも人気と影響力は実態としてあるのだからこそ、「買う価値」もあるのだろう。誰でも良いから1億円ではないでしょう、価値ある1億円である。
まぁ無理がある擁護だが、芸能界は作られた世界だからね、そもそも「プロデュース」は「制作」という意味なので、人も場所も環境もすべて作り出すのが仕事であり、その作られたものを楽しむのがエンタメでしょう。流行も廃りも人気も順位もすべて作れないものはないのがこの業界だ。
紅白に至っては「選考」という基準らしきものがあって、それは「横綱の品格」のようなものである。つまり「条項」でハッキリ記されたものではなく、漠然的に意識されるものであるため、「ダレ? コレ?」という人もいれば「ナニ? コレ?」という者まで出てくる。出場者といっても「紅白」という「番組」を作るための「キャスト」選定であり、制作するにあたってそれはそれで色々と考えるし、あっちこっちから「プレッシャー」もある。
近年の紅白は「目玉」が紅白とは関係なく「企画勝負」であり、17年で言えば「安室奈美恵」をもってコミットするといった「願い頼り」の感も否めないところ。こういった流れの紅白に嫌気が差しているアーティストも少なくないのでブッキング・オファーは毎年手古摺っている。その点「ジャニーズ」は素直で何組でも出してくるのでNHK的には使いやすくて有難い。
ジャニーズが司会を担当する年末恒例の歌番組
もはや紅白の顔となっていた大トリ常連のSMAPを欠いたとしても翌16年には「KinKi Kids」をトップニュースにした構成で6組のジャニーズ勢を降臨させるなどして番組に貢献。枠としては、4組に1組はジャニーズというポジションをキープしたものの、17年は「Hey! Say! JUMP」を加えても5組に留まり、やはり下降も否めない感もあるだろう。
本来ならジャニーズトップの「近藤真彦と少年隊」を出したいところだが、これには無理があり、さすがのジャニーさんも他の番組では使えても紅白には出せないでしょう。神的なジャニーさんも一応の「常識的」な行動をしている。
2004年の第55回にはSMAPが「紅白に出られるほどの活動をしていない」とジャニーズ側から辞退しているくらいなので、その「相当の活動」がないと、いくらジャニーズでもホイホイと出してはこない。で、、、15年にマッチか、、、(笑)
SMAP無きあとのメディア工作としてマッチとヒガシの露出が際立っているが、逆に世間の目と声が厳しいことでジャニーズも安堵はできないようだ。ここらでNHKにヒガシ番組を作ってそこそこ放送していれば、その流れで「司会」が視野になるだろう。マッチは歌手として好きな時に出場できるだろうが、ヒガシに至っては少年隊が完全休止なので歌手より司会のほうが可能性はある。
ジャニーさんの着眼点はそこが大きなポイントだ。
紅白出場のニュースは歌手だけではない。紅白と言えば「司会」という名誉なるポジションも大きな話題になる。そしてこの司会こそ「ジャニーズ枠」と言えるだろう。
他の芸能関係者からも「まさか、そこ?」といった具合でジャニーさんが欲しがるものは想像を絶すると評価。司会(MC)となれば、他の番組なら「冠」クラスなので、実のところ紅白は「ジャニーズが司会を担当する年末恒例の歌番組」と紹介されても大きな間違いはない。
中居がマイクを握った97年の第48回から17年の第68回までの20年間で、中居が6回、嵐が5年連続5回、井ノ原を挟んで相葉と二宮の嵐続きで20回中14回を担っているこの数、もはやジャニーズじゃないほうがニュースになるだろう。
もし翌年の第69回が嵐のメンバーではなかったら「嵐の持ち回り」と思い込んでいる世間は驚くだろう。まさかの東山とかね、ジャニーさんならやりかねない(笑)。
こうして改めて書き綴っていくと思い出すが、シブがき隊が5年連続で出場していたのに驚いたのと(笑)、解散から3年後にメンバーだった本木雅弘がソロで出場した92年に同期の少年隊と後輩の光GENJIとSMAPらと共演しているが、ジャニーズと元ジャニーズの「歌番組共演」が実現できるのは紅白だけじゃないだろうか。
ジャニーズだらけとなるそのチカラを見せるとしたら...
『紅白歌合戦』という栄誉は素晴らしく価値あるものと言えるが、そんな国民的な番組でさえガチ獲りしてモノにしてしまうジャニーさんがやはり凄いと思う一方、第66回(15年)の紅白がジャニーズにとって最も大きかったと過去形になるのが寂しい気もする。
ジャニーさん最大のお気に入りだった「郷ひろみ」から始まって「SEXY ZONE」と二組連続のジャニープロデュース、前半最後に「関ジャニ∞」で一旦締めて「TOKIO」、「嵐」と続いたあと司会の井ノ原をメンバーとする出場2回の「V6」、この時すでに謀反の旗が振られていた「SMAP」、この紅白で卒業を告知していた元祖演歌アイドル「森進一」さんはジャニーさんが初めて手掛けたタレントである。そして寵愛される「近藤真彦」で締めくくった15年。
一発目(郷ひろみ)から、どこからともなくやってきた「マッチのトリ」まで白組は半数近くが「ジャニーさん育ち」だ。総合司会を務めた「黒柳徹子」さんにおいても「(故)森光子」さん同様にジャニーズとは切っても切れない縁深いお相手だ。もっと言えば「EXILE」と「三代目J Soul Brothers」、いわゆるEXILEグループにしてもジャニーズ寄りの意味深い「関係」があるという事も加えておきましょう。
ジャニーさん、かなりチカラを入れてきたなと......。森進一さんの卒業があったのでこれだけ揃えるタイミングは15年が最後のチャンスだったのだろう。V6の復活にせよマッチのトリにせよ通常であれば考えにくいキャスティングだがジャニーさんが是非と言えば「ジャニーズ一色」にもなるのだが、もう今後にこのようなジャニーズ集大成はないだろう。
しつこいが、マッチの再登場とヒガシの司会があれば、中居か木村がゲスト審査員でキンキやタッキーも出場すると、まさにジャニーズMAXとなるが、そのチカラを見せるとしたら2020年だろう。
ジャニーさんはこの年こそ「ジャニーズの一年」にすると公言しているところで、オリンピックから紅白までジャニーズ一色でギッチリ埋め尽くしてくるだろう。
個人的には「光GENJIの再結成」があったら紅白も企画的に夢ではないだろと、まぁ絶対にないな(笑)。
文◎平本淳也(作家・実業家)
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