【裁判ってこんなレベルなの!?】罰金50万円は高い! と裁判を起こし裁判官に完膚無きまで論破される援助交際男【ネットで予備知識?】

2018年01月04日 

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「10代の女の子が大好き」という男の浅はかさ

 

小坂勝也(仮名)がツイッターを始めた理由、それは「援助交際の相手を探すため」でした。
裁判当時49歳の彼は、以前はタクシー会社で勤務していましたが「過酷な仕事」が原因でうつ病になってしまい退職。その後はずっと無職で母親と二人暮らしをしていました。彼が援助交際のためにツイッターを始めたのは会社を辞める2ヶ月ほど前のことです。
彼は相手女性が18歳未満、正確には16歳であることを知りながら現金3万円を渡して性行為に及んだ、として児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪で逮捕され罰金50万円の略式命令を受けていました。しかし彼は罰金額が高すぎることに納得がいかず正式裁判を請求して公判に至りました。

初めに彼に援助交際の話を持ちかけたのは被害児童Aでした。希望金額は30,000円。それに対して彼は
「セックスで20,000円。内容が良ければ、又は2回なら30,000円」
という条件を提示してAもこれに同意しました。実際には2回だったので30000円を支払ったようです。

彼は「18歳未満は犯罪になるからやらない」と決めていたのですが、この時は彼なりの事情がありました。Aの前にやり取りしていた女性が生理でセックスが出来なかったのです。欲求不満が募っていました。それに、もともと彼は10代の女の子が大好きです。援助交際の相手を見つけて交渉する時も「相手が10代なら最高30,000円まで払う、20代の場合は基本的に15,000円まで」というルールを決めていました。
とはいえ、彼は他にも何人かの女性と援助交際をしたものの、A以外はみんな18歳以上でした。
「初犯で被害者は1人だけ、それも向こうから誘ってきたのに罰金額が50万円は高すぎる」
と彼は憤っていたのです。そんな彼を裁判官は被告人質問の場で諭しました。

 

49歳の男が憤っているあまりにも身勝手な内容

 

「罰金額が高いから正式裁判の申し立てをしたってことだけど、判決内容に納得出来なかった?」
「ネットで調べたら30万から50万の幅だって書いてありました」
「まさか裁判ってそんな機械的に判断してると思ってるの? 個別具体性ってわかる? だいたい略式命令が罰金50万円でしょ? あなたの調べた範囲に収まってるじゃない」
「いや、でも私は初犯ですし、18歳未満は一人だけで...」
「初犯って言っても、被害者の状況とか色々で判断してるのわかるよね?」
「あ...はい」
「児童ポルノ法ってわかるかな? 未成年が体を売るダメージについてどう思う?」
「でも、相手が募集してたから...」
「相手が積極的かどうか法律は明示してない。相手がまだ判断力の未熟な未成年なんだから積極的に来る子に対してはなおさら拒否しなきゃダメなんじゃないの? 大人としてさ」
「それは...はい」
「あと、児童ポルノ法の法定刑ってわかる?」
「え? いや...わからないです」
「『300万円以下の罰金又は5年以下の懲役』ね。金額が高い低いっていうのを裁判所がどうとも言えないけど、50万円が高すぎるとは思えないんだよね。あなたがネットで調べた金額がどうなのか知らないですけど。そもそもあなたが調べた金額の範囲内だし」
「......」
「なんで略式だったのかはわかる?」
「えっ...それは...初犯だから、ですか?」
「違うよ! 未成年者の保護が目的で略式だったの! こうやって公開の法廷で公判したら被害者に二次的なダメージがあるかもしれないでしょ! だから略式なの! なのにあなたが正式裁判しろって言うからこんなことやってるの! まだ納得できないことある?」
「いや...ないです」


彼への求刑は罰金50万円。1円も下がりませんでした。
見事に論破されてしまった彼は『ネット』で得た生半可な知識で法律のプロに対抗できるとでも思っていたのでしょうか? そんなことは絶対に無理だと『ネット』は教えてくれなかったのでしょうか?

彼はもう援助交際はやらないと言っていました。ツイッターは今後も続けるそうです。


取材・文◎鈴木孔明

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