危険ドラッグで全国初、厳しい条例を出した鳥取県の英断

2014年10月16日 危険ドラッグ 条例 鳥取県

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 鳥取県で、危険ドラッグに関する非常に興味深い改正条例が可決された。これにより、鳥取県では危険ドラッグの成分を特定せず製造・販売・所持・使用などが罰せられ、悪質なケースでは懲役刑になる可能性もある。

 この改正条例の施行は11月25日からとされ、他自治体も"危険ドラッグと看做せるもの" を一括りに処罰できるような方向に動こうとしているようだ。例えば兵庫県は鳥取県同様に成分特定せずに販売者を規制できる条例を定めたが、同県の場合は行政法上の義務違反として過料が科せられるのみ。鳥取県の場合は行政罰ではなく、刑事罰として懲役の可能性まであるため、より厳しい姿勢であると言えよう。

 こうした各自治体の取り組みにより、様々な事件・事故を巻き起こした危険ドラッグ(=合法ドラッグ・脱法ハーブ) は、全国的により厳しく取り締まられる事になるだろう。しかし、成分特定せずに厳罰化というのは乱暴だという意見もあるかもしれない。事実、鳥取県でも最大会派の自民党からは慎重論も出たようだ。だが事の重大さを考慮し、最終的には全会一致で可決されたのである。

 そもそも、どうして危険ドラッグがここまで犠牲者を出し続けているかというと、国が 「禁止薬物である」とするまでに時間がかかり過ぎ、その間に化学式を少し変えただけの新種が出回ってしまう。すると、新しい禁止薬物リストが出来上がった頃には、そのリストから漏れる(=法で裁けない) 新種によって事件・事故が起きて振り出しに戻される。このイタチごっこから"脱法"という名称が付いていたのだ。

 このような悪質な方法論に対抗するには、充分な注意が必要であるという大前提はあるにせよ、多少乱暴なザックリした取り締まりをするより他に手段がない。 今は鳥取県をはじめとする新しい規定で問題に取り組んでいる自治体の成果を見て、細かい点をブラッシュアップしつつ、根絶に向けて進んで行くしかないだろう。

 それにしても、嘆かわしいのは小回りの利く地方自治体に比べて、万事遅すぎる政府の愚鈍さである。 危険ドラッグの問題など、特定の地方でだけ起きている訳ではないのだから、真っ先に大ナタを振るうべきは国だと思うのだが......。

Written by 荒井禎雄

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