中高生の妊娠や性病が増えてる? 産婦人科医の言う情報が正しいのかどうか調べてみました

2018年11月09日 中高生 妊娠 性病 産婦人科医

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 中学、高校で性教育の講演を行っているという産婦人科さんの話を、あるネットニュースで見かけました。この方はネットやLINEで無料相談も受け付けているそうで、「生理が来ない」や「性病かもしれない」という内容も多いのだそうです。
 昨今は性教育が浸透していると思っていたのに、いまどきの中高生はコンドームをしない派が多いのだろうかと疑問だったので、今回はコンドームのデータを調査してみました。

 まず、グラフ1はコンドームの国内・国外出荷量の年次推移となります。



DATA_035_graph01.jpg<グラフ1>厚生労働省「薬事工業生産動態統計調査」のデータをもとに、筆者がグラフ化しています


 国内出荷量については、平成26年(2014年)までは順調に伸びていましたが、そこをピークに減少傾向に変化しました。逆に海外への出荷は平成26年から平成28年で倍以上に増加していて、メイド・イン・ジャパンの信頼性が伺えるというものです。

 ちなみに、一般社団法人日本家族計画協会の避妊方法に関する調査(2014年)では、コンドームが85.5%で1位、膣外射精法が16%で2位、オギノ式避妊法が6.1%で3位、ピルが4.1%で4位でした。やはり学校の性教育なんかもあって、コンドームは最も身近な避妊方法として認識されているようです。

 次に、コンドームを利用しないことによるデメリットのデータも調べてみましょう。グラフ2は女子人口千人に対しての妊娠中絶率の推移。


DATA_035_graph02.jpg<グラフ2>厚生労働省「平成29年度衛生行政報告例の概況」のデータをもとに、筆者がグラフ化しています


 青グラフが49歳までの総数、オレンジグラフが20歳未満(15歳~19歳の女子人口、分子に15歳未満を含めた件数で計算)を抜き出したものですが、両方とも減っているじゃないですか。
 また、性感染症の推移を示しているグラフ3を見てみると、淋病とクラミジアは平成14年をピークに激減。ヘルペスやコンジローマも横ばいや微減していることが分かります。


DATA_035_graph03.jpg<グラフ3>厚生労働省「性感染症報告数」のデータをもとに、筆者がグラフ化しています


 うーん、避妊具の国内出荷数が減っているのに、中絶率や性感染症も下がっているというのはなぜなのでしょう。とここまで書いてみて、ここ最近になって問題視されることが多くなった「セックスレス」に思い当たりました。

 エッチしたくない男女が増えれば、そりゃコンドームも中絶も性感染症も減りますよね。もちろん、あくまで筆者の推測なんですけれど、これらのデータは一面の真実を垣間見せているような気がしてなりません。(文◎百園雷太)


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