パートナーとの関係性に疲れても小室哲哉氏のように他の人に身を委ねられないアナタにオススメの『添い寝屋』に行ってきました
“にんにく注射おじさん”こと小室哲哉氏の不倫引退会見が話題となっています。
俗っぽくとらえると、パートナーとの関係性が原因で心身疲れたところに新たな出会いがあれば、ぐらりと来てしまうのは誰でもよくあることではないかと思います。仰々しく引退を宣言するほどでもないくらい。
でも、そうした出会いにしっくりと来て、楽しめる人っていいですよね〜〜。小室氏、マジ羨ましい。さすが時代と寝た男!
一方、パートナーとの関係性がこじれて死にたいくらい絶望的になっている人に、
「ホスト(またはキャバクラ、風俗、合コンなど)に行って楽しんじゃえばいいじゃん!」
とアドバイスする人がいますが、楽しめればいいですよ、楽しめる人にそういったアドバイスは成立しますよ。でもそういった場所や新たな異性との出会いで発散できない性分の人は大多数いるんですよ。
ああ、新しい女に素直に身を委ねられる小室氏、マジ羨ましい。
先日わたし、添い寝屋に行きました。
動機は、「女性向け風俗」の記事を書くに際してのれっきとした取材と、自らの好奇心と、満たせるものならセックスレス数年で溜まった性欲を満たすための、半々です。
添い寝屋とはその名の通り、ジェントルに訓練されたイケメン風の男性キャストを自宅やラブホテル等の外部施設に派遣し、”添い寝”してもらうサービス業です。一応、「性的サービスはない」との明記はあります。
まず電話かメールで日時を予約し、指名があれば指定キャストを指名し、フリーならば好みを伝えておきます。「ジャニーズ系」とか「高身長ソフトマッチョ系」とか、「大人系」とか。すると、それに該当する男性を派遣してくれるといいます。
わたしはとりあえず「普通系」を希望し、場所はラブホテルを指定、いざ待ち合わせ。そこにいたのは、ヤセ型高身長の、JOYを庶民顔にして少しだけナチュラルにした感じの20代なかばの若者でした。
……全然「普通」じゃない。「普通」は眉毛を45度に剃らないし、デコルテざっく開いたボディフィットニットを着ないし、靴はそんなにドギャーンと尖らない。まあそもそもわたしの好みは柄本明系男子なので無理があるのですが、それは置いておきましょう。
で、待ち合わせ場所からラブホまでの道のりまで、さっそくジェントルっぷりを発揮するJOY。車道側を歩こうとするとわざとらしくボディタッチをしながら、「危ないです……よ……?」とエスコート。そして入室すると上着を脱がせて掛けてくれます。そのときもボディタッチは欠かさずに。
そしてソファに座ると、「じゃあ……」と物欲しげな顔をするので、お金を払います。2時間1万5千円(ホ別)。高い。高すぎる。これでどこまでデキるのか、この時点で”期待”は微塵も感じません。だってしばらくは、ソファに座ってわたしが(取材と明かさずに)質問責めをしているだけですからね。わたしから「えっと……じゃあ、ほかのお客さんって、どうしてるんですか? ここでずっとお喋り?」と誘導して初めて、
「どうしま……す……? 寝て、みます……? 電気、消しちゃいます……ね……?」
と、うやうやしく微笑み、またボディタッチしながらベッドへ移動。ふたりでベッドに潜り込み、やはりしばらくは質問をしていましたが、綺麗事ばかり言うのでもう面倒臭くなって「取材」だと明かしました。
すると語ってくれたことは、
「ホストのようにキャストのナンバーを競わせている店は、客を増やすために本番が横行している」
ことや、
「ギリギリまでシテ高ぶらせてリピートにつなげるのがコツ」
ということ、
「添い寝していると、女性客からさわさわと触ってくることが多い。ガマンできる日と、折れてスる日がある」
こと、
「勘違いして客以上になろうとする客は雰囲気で分かる。その場合は、”それは違うよね”と一線を引かないとあとで大変なことになる」
ことなど、本音を話してくれました。
そうか、やっぱりヤレるんだ! と思っていると、さきほどよりJOYが近づき、抱きしめられることに気づきます。背中のブラ線をなぞるようにゆっくりと撫でられています。これに身を委ねれば、もしかしたら、いろいろと満たせるのか……。
尽きてきた質問と比例してうとうとし、はっと気付いたときには終了10分前。普通に寝ていました。「うわー、すいません」と言うと、
「お仕事……疲れてる……ね……? どう? 楽になっ……た……?」
と言い、左手で指を、右手で腰を触ってきます。そして頭皮には唇を押し付けてきて、香水の匂いに混じって成人男性独特の口臭が荒い息から漂い……。
キモイ!!!!!!!!!!いやだ!!!!!!!!!やめて!!!!!!!むり、むりむりむり!!!!!!!!吐きそう!!!!!!!
とは言えず。「あ、あざーす♪お陰で楽になりました♪こんなおさわりサービスまでしてくれちゃうんスね〜〜♪」と軽快に答えることしかできないのは、きっとセクハラにNOと言えず#metoo!と言えないタイプの性分です。「あ、もう終わりッスね〜! いやあ〜ありがとうございました〜〜! 本当にいい経験さしてもらいやしたあ〜〜!」と終了時間5分前に空虚に言うと、
「そんなにお礼を言われる
の……はじめて……よかった……」
と言いながら、名刺をくれました。
「でも、旦那さんに見つかったら……マズイ……よね……?」
まるで共犯者のようにいたずらっぽく微笑むJOY。大きなお世話です。
男性ならば、1万5千円払えばそれなりのスッキリ感でラブホを出ることでしょう。だが女性の場合はコレですよ。ストレスが募っただけ。男性は分母が多いから自分のニーズで選び放題だけど、女性は”イケメン風”の若造がわかったような口を効き頭ポンポンしてくるという屈辱プレイ。本物の”イケメン”ならいいですよ、竹内涼真や坂口健太郎本人が来たならば、好みではなくとも「はわわわじゅんじゅわあ」となりますが、所詮は”イケメン風”。生クリームとバタークリームはまったく別物です。
もしわたしのニーズに合う柄本明系男子が出てきたら、本人以外のソレはただの腹が出て目がギラついたおっさんであって、殺されるかもしれない恐怖心しか抱きません。
で、ヤルことといえばヌイてもくれずただ「ギリギリまでやってリピートさせること」が目的、つまり金を巻き上げることが目的だ言っても過言ではありません。「女性の性欲解消」が目的ではないんです。
ですが、こういうイケメン風男子とイチャイチャしたいニーズを持った女性は満足して軽い足取りで帰路につくことでしょう。
わたしはというと、やっぱり夫しかいないなあ…たとえ体が触れ合えなくても、と再認識できたことが収穫でしょうか。
パートナーとの関係性がこじれて浮気心が芽生えそうな方は、まだ諦めないで。赤の他人の臭い息を嗅ぐことになったら、ますます死にたくなってしまうはずだから。
取材・文◎春山有子