【AKB選抜総選挙】指原が首位を奪還、アイドル力を上回った「人間力」|久田将義コラム
ライブ会場に行かなければ分からない事がある。現場の空気を味わないと理解できないものがある。初めての地方での総選挙。福岡ヤフードームで行われたAKB48グループ総選挙だが、福岡のホテルはほぼ満室。カプセルホテルも泊まれない状態らしい。福岡の街は6月6日、AKBファンが押し寄せた。ちょっと異様な雰囲気が街を覆っていた気がする(いい意味で)。
ライブを見て、山本彩と指原莉乃の盛り上げ方を素晴らしいと以前、記事にした事があった。今回も総選挙前のライブでは指原のマイクが目立った。HKT48の躍進の原動力は言うまでもなく指原だが、そのプロデュース能力だけではなくライブの盛り上げ方は特筆すべきだ。テレビのバラエティでも空気の読み方は感心するほかないが、やはりAKB48グループの集客の原点は握手会とライブだと思う。指原は両方をこなしている。
アイドルとしてバラエティ番組に出演した際、現場の空気を読みつつ間をきっちり取るだけでなく、ライブでも強いのが指原の凄さだ。また、女性ファンの心をつかんでいるのも強い。僕の後ろの席の女子中学生が指原に必死の声援を送っていたのを見て、よけいそう思った。
●僅差になるかという予想を裏切り力の差を見せつける
総選挙の結果は2位の柏木由紀の16万票代に大差の19万票代の大差をつけて、正直僅差になるかという予想を裏切っての一位に返り咲きを果たした。渡辺麻友と柏木由紀の正統的アイドル路線を支持するものの、指原はその正統的アイドル力より上の「人間的総合力」でアイドルとしての力の差を見せつけたように思う。
総監督の高橋みなみは卒業表明した後の最後の総選挙。第四位という過去で最も高い位置を獲得した。印象的だったのはスピーねこチだろう。よく、高橋の事を「運営スタッフ」と称するがAKB48を、あれほどプロデューサー立場から見られる人物もいまい。田原総一朗氏が「政治家に立候補した方が良い」と冗談めかして進言した事があるものの、僕は講演者や教師としての資質があるのではないかと感じた。卒業後は、しばらく休暇を取った後アドバイザーなり顧問として参加した方が良いのではないか。それほど高橋の存在感は大きい。横山由依が総監督として慣れるまでサポートをしても良いと思った。
選抜上位メンバーは圏外から、ランクインしている事を鑑みるとそれと「速報」というのは、ほとんど全くアテにならないものだという事を付け加えておこう。選挙予測は速報ではなく、握手会やライブ等現場に行き、ファンの反応などを見てするのが最も確実だと感じる次第だ。現場至上主義の大切さを改めて感じ取った次第である。
Written by 久田将義(東京ブレイキングニュース編集長)
Photo by 指原莉乃写真集 猫に負けた
地元で凱歌。