東京都議選を「こってり系ラーメン」に例えてみた|プチ鹿島の余計な下世話!
先日、東京都議選の開票速報の番組に出演してきました。いわゆる選挙特番。私は各選挙区の見どころを、わかりやすく野次馬的に紹介するという役割もあった。なので新聞やスポーツ紙、タブロイド紙の選挙情勢の記事をよくチェックしていたのですが、知れば知るほど、なんだかため息が出てしまいそうな選挙区も少なくなかった。
そのひとつが「こないだまで民進党だったのに、いつの間にか都民ファーストの会の公認や推薦で出馬している人」がけっこういたこと。そして公認候補は全員当選という事実。「風」すごい。詳細は以下。
《民進党を離党し、小池百合子知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」の公認や推薦を受けて出馬した候補者が16人いた。》(読売新聞・7月6日)
《公認候補が全員当選する一方、推薦候補は半数が落選し、明暗が分かれた。》(同)
公認候補となった7人は今年の1~3月に離党届を提出した人が中心で、推薦で臨んだ9人は3~6月に離党届を出した現職が中心という。さっさと決断した要領がよい人は勝ったとも言えるし、選挙直前までゴタゴタしていた人はさすがに「風」の恩恵はなかったとも言える。
私が今回注目していたある区でみてみよう。
「民進党公認で出馬準備をしていたが、突如、離党を表明。一転して都ファから推薦をもらった」という候補がいた。
この人の夫は民進党議員で、苗字も夫にあわせて今年改名したのだが、その矢先に民進党を離党したのだ。そうとうなドタバタ。果たしてこの推薦候補も当選するのかと注目していたら……。落選だった。明らかな「風」狙いは有権者にはバレバレだったと言える。
それにしても今回の都議選の結果をみると、負けたのは本当に自民党なのだろうか。2大政党制の醍醐味とは「味比べ」だと思う。ラーメンで言えば「こってり味」と「あっさり味」。どちらもあるべき。でも今回おこなわれていることは「こってり味」の次に「新こってり味」が出てきただけではないか?
似たような味の中で勝った負けたと言われている。長い目で見れば、自民党も都民ファーストの会も同じ鍋にいそうなのに。全体の位置がさらに右にずれただけで、こうなると実際に負けたのはやっぱり民進党なのではなかろうか。
選挙速報でも自民党の負けっぷりが注目されるなか、民進党も「その他」にまとめられていた瞬間があってその現実にも驚いた。
自民・都民ファ以外にも新しい「味」の開発が待たれる。じゃないと選挙特番が盛り上がらないと思うのです。
Written by プチ鹿島
Photo by erykan
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