愛知県知事不正リコール事件 高須院長のトーンが弱くなっていませんか│久田将義
ハッキリ言って人の批判とかしたくないんです。素晴らしい人だ、という原稿の方が書く方も気持ち良いと思うのです。けれど、どうしてもこれだけは書いておかなければなりません。
そろそろはっきりさせて頂きたいのが、愛知県大村知事へのリコール不正問題。いや愛知県警が捜査に入っているから問題ではなく「事件」と言っておきましょう。
この際、「あいちトリエンナーレ」の内容は置いておきます(現場を知らないと意味がないと思い、僕も観に行きましたが)。問題はそこを離れていきました。現在の焦点は「選挙で選ばれたのに気に入らない政治家を金の力で辞めさせる事が出来るのか」になっています。
各報道でお分かりのように高須クリニック院長高須克弥氏、河村たかし名古屋市長が音頭を取って始まったこのリコール運動。リコールとは『選挙で選んだ首長・議長などを住民投票などによって、解職を要求出来ること(制度)』(「新明解国語辞典」三省堂より)となっています。すなわち、地方自治体の首長については国民の声で解職が出来るのです。そういった意味では高須院長、河村市長の行動は制度に基づいた正当な行為だったはずです。
集まった、リコールを求める票の80%が、同じ人が書いたものや亡くなられた人の名前が書かれていた、偽造がバレるまでは。
なぜこのような事態が起こってしまったのでしょうか。会社なら代表取締役が頭を下げ、辞任する事でしょう。政治の世界なら首相がお詫びするでしょう。
ではこの運動の元となるものは何なのでしょうか。ホームページでは「愛知県知事リコールの会」となっています。会と名称があり、事務局があるという事は組織と認識して良いでしょう。組織は通常、縦割りです。すなわち事務局長が組織のトップなのか。それとも高須院長なのか、河村市長なのか。
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