女性の顔面にスプレーで逮捕 ストーカーに走った容疑者はビジュアル系バンドのカメラマンだった

写真はイメージです。

東京・足立区の商業施設で30代の女性を執拗(しつよう)に追いかけ、顔にカラースプレーを吹きかけて、傷害等の容疑で逮捕された職業不詳の根岸秀男容疑者(61)は、スプレーで目つぶしして動けなくなったところを刃物で刺そうと計画していた。借金があり刑務所に入れば生活に困らないと思った」と容疑を認めている。

容疑者は、かつて、ビジュアル系アーティストを撮るカメラマンだった。2000年代には、
「アンチフェミニズム」のボーカリスト、「ザ・デッド・ポップ・スターズ 」(dps)の
ドラマーのKENZIの専属カメラマンだった時期もあった。KENZIの2010年10月のブログによれば、容疑者は自宅から撮影現場に向かう途中で失踪し、捜索願が出されていた。また、dpsのギタリストの秀斗 のブログによれば、2011年1月に帰還した。

「当時は、カメラスタジオでも働いていたので、金銭問題はなかったのですが、せこい面はありました。 100円ショップで購入したものを海外でアンチフェミニズムのメンバーに売りつけたのが印象的でした。でも、金銭に困っているとは思わなかったです。まさかこんな事件を起こすとはショックですね。僕と一緒にいる時は楽しんでいはったから、よけいつらく。もっと一緒にいたら、こんなにならなかったかもですが。被害に遭われた方の精神、心が心配です。全然会ってないけど、ねぎっちゃん何やってんだ!バカたれ!!」とKENZIは語った。
また、容疑者の知人によれば、
「容疑者は自身のコンプレックスから、屈折した風俗遊びの趣味がありました。出禁の風俗店もあったようです。そんな過去との決別から女性を攻撃対象にしたのかもしれないですが、許されることではありません。

親交があった頃は、実家暮らしだった容疑者からは、お母さんとは口を訊かず、帰宅したら、自室に直行にすると聞きました。お母さんは、優しい品のある方でしたよ」
と明かした。
「幼少期の家庭環境から読み解く 凶悪犯プロファイル」 (駒草出版)等の著書がある犯罪コメンテーター、国際社会病理学者・阿部憲仁教授 (桐蔭横浜大學法学部教授/府中刑務所篤志面接員)は、

「ニュースの動画から、かなり病んでいる印象を受けます。恐らくは、深層で母親に対して怒りを覚えており、孤独な近況で怒りを排出できず、女性全体に対する怒りの増幅が一線を越え、カメラも気にしないほどまでに暴発したのだろうと推察します。愛情のネグレクトによる単発自爆行為(どちらかというと大量殺人系)と考えられます。やさしい品のある母親と外面が良いのは、子どもの感情無視を無視しているケースも少なくありません。風俗出禁により、女性に対する怒りの増幅もあったのではないでしょうか」と述べた。(文・写真@霜月潤一郎)