アイドルのイメージを変えたTOKIO「ガチンコ」シリーズで山口達也が放ったオラオラ言葉の数々

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 TOKIOが四人で活動する事が決まりました。 
 TOKIOがグループ全体が活動する代表番組は「鉄腕ダッシュ」でしょうが、最もTOKIOを有名にした番組をご存知でしょうか。「アイドルがこんな番組を?」と思わせた番組がありました。

「ガチンコシリーズ」です。一言で言えば、素人オーディション番組です。一番有名なのは元ボクシングWBAミドル級王者・竹原慎二氏がコーチをつとめ、「ケンカ自慢を集め三カ月でプロボクサーに合格させる」という「ガチンコファイトクラブ」でした。

 練習生同士が喧嘩をしたり、無謀にも中学時代は柔道で鳴らし186cmの巨体で世界激戦区のミドル級チャンピオンになった当時30歳ちょっとの竹原氏に、「喧嘩じゃ負けねえ」と逆らったはいいけど勝てるはずもなく首投げなどで抑えられたり、台本があるとは言え、練習生がちょっと気の毒になる番組でした、今振り返ると。

 ナレーションが「この後、どうなってしまうのかー!」「この後、とんでもない事にー!」と大袈裟なのも相まって、たちまち人気番組に。因みに、このナレーションで引っ張る手法は、歴史は繰り返すと申しますが、「Abema TV」で名物ディレクター、マッコイ斎藤さんが手がける「格闘代理戦争」のような、「参加型格闘技番組」に受け継がれています。

 さてTOKIOはこの番組で後の「鉄腕DASH」に活かされるような、重要な役割を果たします。一般人(練習生)との絡みです。時には、参加せんばかりに練習生の乱闘(実際には胸倉をつかむのみに制限)を止めたり、あるいは練習生に説教をします。説教は国分太一の役割でした。長瀬智也もまだ「池袋ウェストバーク」くらいの頃でしたから練習生と揉めたりします。

 僕はこういった不良少年たちがテレビ出演する際、「本当の人かそうでないか」を観察する事を自然とやってしまっているのですが、「ガチンコファイトクラブ」よりも「不良感」を出していたシリーズがありました(「ガチンコファイトクラブ」の初期は明らかに、「無理やり金髪にした」だけの普通の青年たちを駆り出していました)。

 それが「ガチンコBE-BOP予備校」です。

002.jpgジャニーズ事務所


山口達也が不良少年たちを一喝、被害者にこの調子で……

 ここでの主人公は城島茂、そして山口達也元メンバーです。番組では不良少年たちを更生する為に大検受験合格を目的に、元暴走族たちを集め、受験勉強をさせます。
 城島茂も受験生である不良少年と揉めた際、「芸能人とか関係ないからな! 男としてお前の事許せん!」と叫んだり「アイドルとはちょっと違うかも」と思わせた番組でした。

 この番組を制作した会社の人と話した事があるのですが、「本物」がいたと話していました。

 僕が目を付けたある青年もそうでした。みんな、受験勉強の際も特攻服を着ているので「あ、このチーム、取材した事がある」と思いながら特攻服の刺繍をチェックしていたのですが、なかでも異様な雰囲気を出していた青年がいました。
 一見、普通の髪型をしていますが、テレビで見ていても「場」を支配していました。数年前、マル暴(組織犯罪対策部の刑事)と話しながら、「彼」の映像を見せたところ「周囲と違いますね」と同意見でした。

 という見方も面白いのですが、山口達也がそういった不良青年たちに声を張り上げて頑張るシーンがあります。

「そんな甘えた考えで受験するなら帰れ!」

「帰れ!」……。

 自分の部屋に来た女子高生にもそう言ったとしたら、それはおっかないでしょう。

 また、最近はYouTubeを立ち上げると「ガチンコバリバリ伝説」という別のシリーズが出てきます。そこでも山口達也が武闘派ぶりを見せます。相変わらず、特攻服を着たレーサー希望の青年たちを集めていたのですが、「特攻服なんか脱げ!」と一喝します。

「脱げ!」

 と被害者に言ったかどうかは分かりませんが、これなども結構強烈な一言です。

 記憶がないほど深酒してからの、「帰れ!」「脱げよ!」と、もし言ったのなら、それは被害者がすれば恐怖そのものだったでしょう。その片鱗が「ガチンコシリーズ」ではうかがわせるものでしたよ、山口達也さん。(文◎久田将義)