セブン-イレブンが「時短営業実験」をスタート 24時間営業がなくなって本当に私たちは困らないのだろうか?


本当に困りませんか?

セブン-イレブンが3月21日夜から全国の直営10店舗で「時短営業」の実験をスタートしたそうです。24時間営業の是非は置いておくとしても、いまやコンビニは日本人にとってなくてはならないお店になっています。というか、海外(とくにアジア諸国)の旅行でも、かなり重宝している日本人は多いはず。そんなコンビニ業界のデータについて調べてみることにしました。

まず、グラフ1は国内コンビニの店舗数の推移を示したものになります。

(グラフ1)※日本フランチャイズチェーン協会の統計データをもとに、筆者がグラフ化しています

2014年に5万件を突破して、2018年は約5万6000件に到達。1983年が6308店舗なので、35年で約9倍まで増加しているんです。
また、2018年の店舗数を47都道府県で割ってみると、1県あたり約1200軒もあることになります。都道府県ごとに格差はあるので、都市部になるとすごい店数になるのではないでしょうか。
セブン-イレブン・ローソン・ファミリーマートの3企業だけで計算してみたところ、東京都が6844店、大阪が3720店、神奈川県が3483店(全て2019年2月時点)。ちなみに大手スーパーの西友が全国で334店(2019年2月時点)なので、どれだけあるんだという話です。

次にコンビニごとの店舗数ベスト5はグラフ2になります。

(グラフ2)※2019年2月時点のデータ。デイリーヤマザキは「平成12月期 決算短信(連結)」(2019年2月14日付)記載の「総店舗数」より。ほかは企業HP記載の情報です。また、ファミリーマートは南九州ファミリーマート、沖縄ファミリーマート、九州リテール株式会社のチェーン店を含みます。グラフは筆者が作成。

上位はもちろん大手3社が占めていて、セブン-イレブンが1位、ローソンが2位、ファミリーマートが3位。というか、3社だけで5万店舗を超えていて、ビールとか自動車なみの寡占業界のようです。

最後にコンビニ業界の売上高を示しているのがグラフ3です。

(グラフ3)※日本フランチャイズチェーン協会の統計データをもとに、筆者がグラフ化しています。

1983年は約6000億円でしたが、2018年はなんと約11兆円という売上高。35年間で約18倍も市場規模が拡大しているわけで、どれだけ日本人はコンビニに通うようになったのかという話です。

また、日本フランチャイズチェーン協会の統計によると、2018年のコンビニの客単価は629.2円でした。おおよそで客単価を630円、2018年の売上高を10兆9645億円、店舗数を55700店舗として、いろいろな計算をしてみることにします。

(1)1店舗あたりの年間平均売上高
10兆9645億円÷55700店舗=約1億9700万円

(2)1店舗あたりの年間来客数
1億9700億円÷630円=約31万2700回

(3)1日あたりの来客数
31万2700回÷365日=856人

これらはあくまで数字だけの計算で、ごくごくおおざっぱな平均値となります。1日あたり856人ということは、1時間にすると約35人なので、結構な来客数じゃないかと。コンビニは過疎地域にもあるわけで、都心部はここでの概算とは比較にならない数字になるんじゃないでしょうか。

これでは、バイトが雇えないオーナーが自分勤務でカバーすることを続けていれば、「なんとかなりませんか?」と言いたくなる気持ちも分からないではありません。ただ、消費者からすると「(24時間)開いててよかった」という瞬間は確実にあるので、なんとかうまい感じで解決してくれないものでしょうか。(文◎百園雷太)