発達障害を本当に知っていますか? 4月2日は『世界自閉症啓発デー』 世界各地が青色に染まる
発達障害という言葉を知っていても実際の対応や解決方法はそれぞれの人によって違い、簡単に解決することが難しいです。区別するための境界線もないためグレーゾーンという方も多くいると言われています。
その発達障害とはいくつかのタイプに分類されており、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害、チック障害、吃音(症)などが含まれます。これらは、生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。同じ人に、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなく、そのため、同じ障害がある人同士でもまったく似ていないように見えることがあります。個人差がとても大きいという点が、「発達障害」の特徴といえるかもしれません。
発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているため幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。成長するにつれて、その人がもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。しかし発達障害はその特性を本人や家族・周囲の人がよく理解し、その人にあったやり方で日常的な暮らしや学校や職場での過ごし方を工夫することが出来れば、持っている本来の力がしっかり生かされるようになります。(※注1)
その発達障害の啓発日として国連総会で決議されたのが4月2日の世界自閉症啓発デーです。その啓発カラーとして青色が使用されています。青は癒し・希望・平穏を表しています。また4月2日から8日まで発達障害啓発週間となっています。
日本では東京都港区の東京タワーで世界自閉症啓発デーに合わせ、東京タワーブルーイベントが開催されました。
東京タワー広場はブルーに染まり数々のプログラムブースが立ち並びました。発達障害を体験できるものやアートと自閉症を表現したもの、パズルやボードゲームなど様々なプログラムが実施されました。
また東京タワー内の一部には、発達障害を持つ人々が書いた絵などが飾られていました。どの絵も個性があり、その表現の仕方も様々です。折り紙だけで書いたものや折り紙と絵の具の両方を使ったもの、また迷路を描くという遊び心のあるものも数多くありました。
個性はひとによってそれぞれであり、それを生かすも殺すも自分だけではなく周りの関わりも重要になると感じます。発達障害もそれぞれの対応がその人によって違います。一人ひとりに寄り添い、人とコミュニケーションに時間をかけ深めることが大切になるのではないでしょうか。それぞれの輝き方、素敵な表現力を生かせるような社会であったら、人はもっと生きやすいと感じるのではないでしょうか。(写真・文◎宮原塁)