全国の秘宝館の魂を受け継ぐ、ディープな飲み屋が大塚に誕生!|Mr.tsubaking
温泉好きから秘宝館巡りをするようになったという、店主の片品村蕃登(カタシナムラホト)さんは、数々の遊園地や秘宝館の建築を手がけた東京総研の川島和人社長(故人)とも親交があり、店にもその写真が飾られている。
写真のそばにおかれたリンゴのも、秘宝館からもらったものだそう。一見、芯の部分が女性器を模して描かれているが、よく考えると意味が見えてくる。リンゴという果物は、アダムとイブが食べた禁断の果実とも言われる。つまり性の交わりの寓意になっているのではないだろうか。
温泉地などにある秘宝館を、単なる下世話な施設と思われる向きもあるかもしれない。しかし所蔵品の中には、ある地域で御神体として祀られていたものや民間伝承の裏付けとなる道具、さらには北斎直筆とされる春画までが並び、意外にも、民間の習俗や信仰などの異物を補完するタイムカプセルとしての役割を果たす側面もある。
つまりここには、ある種文化財とも呼べるような、性モチーフの品々が全国から集められていて、バブル時代に栄華を極めた全国の秘宝館の魂が連綿と受け継がれているのである。そうした品々を眺めながら飲むお酒はまた特別な感覚にさせてくれる。
巨大ネオンサインの下に描かれた壁の絵も、職人さんに依頼して、閉館した北海道秘宝館の写真をもとに描いてもらったもの。とにかく、全国の秘宝館の名残がここに集まってきているのである。この店をはじめる前の10年間、新宿のゴールデン街で働いていたという蕃登さんが出すお酒は、氷も氷屋からきちんと仕入れるこだわりで、美味しい。
また、ソフトドリンクでは、色とりどりのシロップから作り、アイスクリームをのせたクリームソーダは秘宝館を知らない世代の若い女性にも人気で、私が来店した際も、何組もの若い女性がおとずれていた。
令和の時代に、昭和と平成の魂を燃やし続けるニュー秘宝館、新たなディープスポットとして、さらに人気を集めそうだ。(Mr.tsubaking連載 『どうした!?ウォーカー』 第34回)
■ニュー秘宝館
豊島区北大塚3丁目33−2ヤマトビル
15:00〜0:00
日曜定休
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