今さら騒がれても遅い「中年引きこもり」 明確な差別と経済崩壊で倒れていった同志たち|中川淳一郎

40代引きこもりや「子供部屋おじさん」が昨今取沙汰されているが、ここでは平成初期の「就職氷河期」を振り返りたい。

1995年~2000年の就活はそれはそれは苛烈を極め、大卒が正社員になれる率は低かった。平成元年(1989年)から平成12年(2000年)までの文科省による「大学卒業者数と就職率・大学院進学率の推移」を見てみよう。バブル景気は1991年2月まで。一つ目の%の数字が、大卒で就職した者の割合(男女)で、2つ目が大学院進学率(同)である。

1989年:79.6%+6.3%=85.9%
1990年:81.0%+6.4%=87.4%
1991年:81.3%+6.7%=88.0%
1992年:79.9%+7.4%=87.3%
1993年:76.2%+8.2%=84.6%
1994年:70.5%+9.1%=79.6%
1995年:67.1%+9.0%=76.1%
1996年:65.9%+9.0%=74.9%
1997年:66.6%+8.8%=75.4%
1998年:65.6%+9.0%=74.6%
1999年:60.1%+9.8%=69.9%
2000年:55.8%+10.3%=66.1%

1995年に就職率が60%台になり、以後2010年代中盤までこの傾向はあまり変わらない。最近は就職率の向上が言われているが、これはここ数年の話である。私は1997年卒で、3人に1人は就職しない年にあたる。また、厚労省「労働力調査(2014年)」にはこんな記述がある。

〈非正規雇用は、1995年から2005年までの間に増加し、以降現在まで緩やかに増加(役員を除く雇用者全体の36.7%)。〉

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