人は薬物を「使いたい」と思った時に家族や恋人を忘れる 「本気」や「土下座」など関係ない 法廷で裁判官が語った“麻薬というものの怖さ”

――大麻でも他の薬物でも、繰り返しやって刑務所に行く人がいます。どういう人が繰り返すかわかりますか?

「…ちょっとわからないです」

――そういう人の中には家族がいる人もいます。あなたと同じようにかわいい子供と生活していたり、親を支えなければいけない責任を持っている人でも捕まる人はいます。何でだと思う?

「そこが麻薬の怖さだと思います」

――そこまでわかってるならあなたの言ってる『もうやめる』が非常に危ういのはわかりますよね? 具体的にどうやってやめるの?

「大切な人たちの信頼に応えたいです。人を裏切りたくない、そんな強い決意です」

――じゃあ家族がいながら刑務所に行くような人はあなたと同じような決意はなかったんですか?

「あったと思いますけど…弱かったと思います。でも僕は本気で思ってます」

――本気じゃない人が繰り返すわけじゃない。残念だけど、薬物の力は自分の中から正しい気持ちが出てくるのを止めてしまう。『使いたい』と思った時、人は家族や大切な人のことを忘れます。私はそんな人を何度も法廷で見てきました。みんな、あなたと同じように、いやひょっとしたらあなた以上に本気でやめようとしてたと思います。それでもやめられなかった。自分の気持ちを強く持つのもいいけど他にも何か考えた方がいい。本当にやめるためにどうするか、ずっと考え続けてくださいね。