コンビニで煙草パイプ(196円相当)を万引きした73歳に店長が「死ねよ」「お前はクズ」と罵倒したバックヤード

事務所で店長に叩かれたと証言した主婦の万引き裁判も観たことがあります。氷一袋をコンビニで万引きしたのが店長に見つかり、事務所に連行された後に叩かれたようです。

店長は「叩いてない」と供述し、「もし自分が叩いたとウソの証言を続けるなら示談には応じない」と半分脅しにも取れるようなことも言っていました。被告側は罪が重くなる可能性があることを承知の上で示談交渉を打ちきり、店長から受けた暴行について主張し続けました。

万引きだけでなく他の罪状の裁判でもそうですが、傍聴席から見ているだけでも腹が立つような被告人は多くいます。

開きなおる者、反省の色が全く見えない者、私のような赤の他人が見ても腹が立つ訳ですから、当事者である被害者から見ればなおさらだと思います。しかし、だからといって彼らに何をしてもいい訳ではありません。

彼らも家に帰れば尊敬される父親や母親かもしれない、自慢の息子か娘であるかもしれない。職場では立派に仕事をこなす上司かもしれないし、期待される若手かもしれない。

そんな想像力があれば、彼らの尊厳を踏みにじる言動は取れないはずだと思います。(取材・文◎鈴木孔明)

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