ホストクラブ「愛本店」が退去 日本一の歓楽街・歌舞伎町は今「ビルの老朽化」という問題点に直面している

歌舞伎町のビルがどのくらい古いのか? を知る上でひとつの目安がある。バブル時代、良くも悪くも名をはせた丸源ビルやコリンズなどの新興不動産が歌舞伎町に進出してきた(現在は他名義となっている)。当時煌びやかで最先端だったこれらのビルですら、はや三十年選手なのである。もちろん、「旧耐震基準」以降の建造物であるため、老朽化と言う言葉はあてはまらないが、前述したようにこれらバブル以降に立ったビルよりはるかに古いビルが数多くあるのが歌舞伎町の実情なのだ。

そしてもうひとつ留意しなければいけないのは、それらのビルなかには、バブル崩壊や失われた二十年の余波で経営権が二転三転しているところもあることだ。管理面にいささかの不安を持つことも仕方がないのであるまいか。

いたずらに不安を煽るわけではないが、日本一の歓楽街・歌舞伎町のビル老朽化は見過ごされがちな問題点と言える。歌舞伎町ルネッサンスやインバウンド効果で賑わういまだからこそ、都はもちろん、消防なども含めた一層の管理強化が望まれよう。(取材・文◎鈴木光司)

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