あの在特会がニコニコチャンネル放送開始で広がる波紋

 在特会がニコニコでチャンネルをオープンさせた。オープンからしばらくは無料期間が設定されているが、チャンネル放送なのでいずれは生放送や個別動画やブロマガなどの有料コンテンツも作成できるようになる。

 この情報がもたらされるや、在特会を批判している人々からドワンゴに対する罵声が飛び交ったのだが、この段階でドワンゴを非難するのは気が早過ぎる。

 ニコニコでチャンネルを開設する場合、送る書面の内容によほどの問題がなければ “ほぼ通る” のだ。 例えば「山口組がチャンネルを作ります」ならば流石にお断りするだろうが、在特会は準暴力団ですらないので微妙なところ。下手に「在特会だから」を理由にチャンネル開設を断れば、その時はドワンゴの方が非難される可能性すらある。

 また、もし仮に在特会が書面に「チョウセンジンの皆殺しを目的とします」といった頭に虫が湧いたような文言を書いていれば、おそらく当たり前の事としてハネられただろうが、猫をかぶって「日本人として知っておくべき情報を伝えるチャンネルです~」といった書き方をしていれば、ドワンゴとしても断る理由がなくなってしまう。

 したがってチャンネル開設までは致し方ないと考えるしかないのである。ここで勘違いして欲しくないのは、「開設までは致し方ない」という点だ。あくまで「開設までは」である。

 さて、話は変わりますが、私は過去に2回チャンネルを潰しております。ひとつは「女優がギブアップするまで24時間でも48時間でもノンストップで続くAV撮影現場から時間無制限生中継」をやったとき。 カラミのシーンが映せないのは重々承知していたので、カメラの前にすりガラスを置き、現場で何が起きているかは音声と運営コメントで最低限の報告をするという形式だったのですが、ドワンゴの「SEXの中継など許せるはずがないだろ! 音声だけでもチャンネル削除対象だ!」という判断でBANGされました。

 こう聞くと皆さんは「当たり前だろ!」と思うかもしれませんが、以前寄稿した記事で書いたように、便宜上AVはSEX(性行為)を行っていないという建て前があります。皆さんは女性器に男性器を出し入れしていると思うかもしれませんが、日本でAVの存在が許されている理由は性器の抜き差しをしていない(という建て前になっている)からです。

 という事は、なぜあの現場からの音声だけの中継を、ドワンゴは「性行為の中継だ」と断定したのでしょうか? 様々な倫理団体の審査を通過して「日本の法律に反していません」とお墨付きを貰っている業界なのに、なぜ一企業でしかないドワンゴの判断で「あれは性行為だ」と断定できるのでしょう?

 ……という投げかけをしたい気持ちも強かったのですが、あの一件で誰が悪いかと言ったらどんな角度で物を考えても私が悪いです。本当にごめんなさい。今では反省しています 。

 そしてお次は「東京ブレイキングニュース」ライター陣の私と草下シンヤ、そして伝説のAV監督・松本和彦、防衛省に火炎瓶を投げ込んだ政治犯・山口祐二郎の4人がレギュラー出演していたオトナのトークバラエティチャンネル。

 こちらはドワンゴに削除された訳ではないのですが、ドワンゴ内部で要注意チャンネル扱いを受けており、宣伝協力も何もして貰えず、ついでに言えば最後までチャンネルの担当者(ドワンゴ側のスタッフ) が誰なのかも解らないままでした。だからこそ「じゃあ自力で集客しよう」と判断するしかなくなり、内容が青天井で危険なものになっていったのです。

 最終的に、そのチャンネルは公安の中の人達から「いつもニコ生見てます(ニッコリ)」と挨拶されるまでになり、もはやこれまでと自らチャンネル閉鎖を決めました。やはり捜査中の案件の内情をばらすとか、ヤク中の芸能人を実名で晒すといった放送内容に問題があったようです。本当にごめんなさい。

 そんなチャンネルBANマスターである私からすれば、ニコニコのチャンネルなんてものは風が吹けば閉鎖するようなものである。在特会ごときがチャンネルを作った程度でガタガタ騒ぐなみっともない。

~年末特番~『みんなでやってみよう違反通報!』

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 まずニコ生の視聴画面の左下に注目。ここに 『違反通報』 という項目がある。 もしいま見ている生放送の内容に問題があると思ったら、まずここをクリックすべし。

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するとこのような画面に飛ぶ。

「違反番組の報告」

・番組ID、サムネイル、番組説明:念のため、通報したい番組の物かどうか確認を。

・違反項目:下記のプルダウンからひとつ選択

「性的な内容」「暴力的な内容」「残虐な内容」「グロテスクな内容」「法令に違反する内容」「他ユーザーの生放送を妨害する行為」「カテゴリ違反」「保有する権利が侵害されている」

・違反内容の詳細:見回るスタッフが理解しやすいよう簡潔に。

 後は上の項目を選んで『報告する』というボタンを押すだけだ。この通報は1~2件入っただけでは中々動きが期待できないが、さすがに何十件と通報があればドワンゴのスタッフが見回りに行く。そこでスタッフが問題のある内容を目撃すれば、チャンネル担当者に連絡が回り、まずはその番組単体の削除を行うか否かの判断をする。

 そしてドワンゴ内部で「これは放送を止めさせよう」となれば、とりあえず放送中のニコ生はBANされるが、それが何度も積み重なればチャンネルごとの強制閉鎖もあり得る。過去に2つ潰している私が言うのだから間違いない。

 また、もしドワンゴがすっとぼけてやって然るべき対処をしなかった場合は、より話が簡単になる。チャンネルでの違法行為を見逃し続けたとなれば、すべてではないにしろある程度の責任・リスクをドワンゴも背負わねばならないのだから、ドワンゴや角川に対する抗議活動にシフトすればいい。規約には放送内容には責任を持たないといった一文はあるにはあるが、ユーザーや被害者からの要請がドワンゴに届いているのに対処しなかったという証拠があれば、間違いなくドワンゴも巻き込める。という事は、ドワンゴからすれば問題があれば自分に火の粉がかかる前に対処するという事でもある。

 ただし、ここで注意せねばならないのは「在特会が生放送しているから」は何の理由にもならないということ。在特会だろうと何だろうと「これこれこの部分がこの規約に違反している」 だとか 「これこれこういう法律に違反している」といった具体的な理由が必要であるという点を忘れないように。

 今回の記事の主旨をご理解いただけただろうか? ニコニコのチャンネルなんて、風が吹けば閉鎖するようなものなのである。(大事な事なので2回言いました)

Written by 荒井禎雄

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ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて

ついにニコニコ進出。

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